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がん患者のための臨床試験の話

2017/4/14

がん患者のための臨床試験の話 Vol.2

実際に、臨床試験はどう進む?

福島安紀=医療ライター

 臨床試験への参加を考えたとき、担当の医師や臨床研究コーディネーター(CRC)にどのようなことを確認すればよいのだろうか。また、実際に臨床試験に参加したら、どのような流れで試験が進むのだろうか。国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門・臨床研究コーディネーター室長の中濱洋子氏が解説する。


国立がん研究センター中央病院臨床研究支援部門・臨床研究コーディネーター室長の中濱洋子氏

研究の目的やデメリットも確認し納得して臨床試験に参加するかどうか決断を
 臨床試験に参加する際には、試験の目的、方法、期間、メリット、デメリット、想定される副作用、臨床試験以外の選択肢も含めてきちんと説明を受けた上で、文書で同意する。病院にもよるが、医薬品や医療機器の承認を得るために行われる治験のほとんどは、臨床研究コーディネーターが「治験協力者」として医師のインフォームド・コンセント(説明と同意)の場に立ち会い、必要に応じてさらに詳しく説明する。

 「臨床研究コーディネーターの主な役割は、(1)臨床試験へ参加する、あるいは参加を考えている患者さんと家族の支援、(2)研究者(医師)の支援、(3)臨床試験に関わる各部署の調整、(4)製薬会社など臨床試験に関わる院外の人への対応――の4点です。臨床試験に参加するかどうか、最終的な決断は患者さんご本人にしていただくことになりますが、私たち臨床研究コーディネーターは、患者さんが納得のいく決断ができるように、一緒に悩み考えサポートしていきます。医師に聞きにくい内容や聞くのを忘れたことや、決めるために困っていることや心配なことは、CRCに相談ください。もしも、CRCに相談できなければ、周囲の看護師、薬剤師などに遠慮なく相談するようにしてください」と中濱氏は強調する。研究者(医師)主導臨床試験の場合には、CRCが関わらないこともあるので、分からないことがあったとき、誰に質問したらよいか確認しておくとよいだろう。

 臨床試験に参加するかどうかは、分からないことや心配なことを医師やCRCに聞き、よく考えてから決めることが大切だ。説明を聞いて、参加に同意しても断ってもその後の治療に影響はない。

 「新しい薬の候補や新しい治療法が必ずよいとは限りません。よい結果になって喜ぶ患者さんがいる一方で、強い副作用が出て臨床試験に参加したことを後悔する方もいます。最新の治療法と聞くと最新イコール最良と誤解する患者さんが多いのですが、有効性や安全性が分かっていないから臨床試験を実施するので、最新イコール最良とは限りません。より良い治療法を受けたいと期待すればするほど、研究段階である不確実な治験や臨床試験の参加を決めることは難しいことです。難しいからこそ、担当医師やCRCとよく話し合いましょう。また、臨床試験に参加すると、副作用に加え、通常の診療より来院回数や検査回数が増える場合も多いので、仕事や育児、趣味など、患者さん自身が生活する中で最も大事にしていることとのバランスといった面も、遠慮なく必ず相談しましょう」(中濱氏)。

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