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がん患者のための臨床試験の話

2011/11/22

がん患者のための臨床試験の話vol.5

新薬開発を進めるために患者ができること

福島安紀=医療ライター

 スレイモン氏を支援したのは、夫ががんになったとき博士に助けられた友人が化粧品会社から引き出した巨額の寄付、そして、全米乳がん連合だった。

 同連合会長で乳がん体験者のフランセス・ビスコ(Frances Visco)氏は、開発委員会とデータ安全性監視委員会への同連合代表の参加、臨床試験の対象にならない患者にも薬を提供する人道的使用(コンパッショネートユース)を条件に、トラスツズマブの第3相試験の対象者集めに協力したのだ。

パンキャンジャパン事務局長の眞島喜幸氏

 一方、セミナー・セッションの中で、すい臓がんの患者団体「パンキャンジャパン」事務局長の眞島喜幸氏は、米国にある本部「パンキャン」が政治家などに働きかけた結果、国のすい臓がん研究予算が10年間で4倍になり、すい臓がんの5年生存率も上がったことを紹介。

 「日本の患者会も、がん研究の段階から関わる必要があります。患者団体の役割は非常に大きく、患者の声を国や製薬企業へ届けることががん研究の促進になりますし、新しい薬の創薬にもつながります」と強調した。

システムを変えたいなら声を上げよう
 トークセッションでは、「がん患者さんが治療法を選ぶ際、臨床試験を最後の手段として考えるのではなく、第1選択として考えることも大事です」(愛知県がんセンター中央病院乳腺科部長・岩田広治氏)との意見も。

 臨床試験に参加するには、年齢、性別、治療歴などの条件に当てはまるかどうかが問われるが、既にたくさんの抗がん剤の投与を受けていたり、そもそも最初に標準治療を受けていなかったりすると、条件に適合しないことが多く臨床試験に参加できないという。

 また上野氏は、がん患者の臨床試験の話vol.4で取り上げたように、既に承認されている医薬品をほかのがん種に使う研究者主導臨床試験が行われた場合、そこで良い結果が出ても、再度治験を行わなければ医薬品として承認されない日本の医薬品承認システムの二重構造の問題点を指摘。

 「せっかく臨床試験で良い結果が出ても、いつまで経っても認可されないのなら、患者さんも研究者も何のために試験をやっているのかということになる。それがおかしいと思うのなら、システムを変えるために声を上げることです」と話した。

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