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がん患者のための臨床試験の話

2011/11/22

がん患者のための臨床試験の話vol.5

新薬開発を進めるために患者ができること

福島安紀=医療ライター

 2011年10月30日、「ご存知ですか?『新しいがん治療ができるまで』〜希望のちから〜」をテーマに、第49回日本癌治療学会学術集会市民公開講座が名古屋市内で開かれた。セミナー・セッションで医療関係者が異口同音に口にしたのは、「臨床試験を進めるためには、患者さんの後押しが必要」という言葉だった。


第49回日本癌治療学会学術集会では、「ご存知ですか?『新しいがん治療ができるまで』〜希望のちから〜」をテーマに市民公開講座が開かれた。

 「がん治療のレベルでは日米の差はほとんどない。しかし、患者の力、皆さん自身が新しい薬、臨床試験を求めて行動する力に関しては日本と米国では大きな差があるかもしれません」。日本癌治療学会が名古屋市で開いた市民公開講座(企画:キャンサーネットジャパン、ミーネット)で、MDアンダーソンがんセンター・乳腺腫瘍内科部門教授の上野直人氏は、「米国の臨床研究・臨床試験の現状」と題した講演の冒頭で、そう指摘した。

 例えば米国では、「スタンド・アップ・トゥ・キャンサー」(がんに立ち向かおう、SU2C)というがん撲滅キャンペーンが実施されている。SU2Cは、4大ネットワークのABC、CBS、NBC、FOXを含む20局以上がゴールデンタイムに同じがん撲滅チャリティ番組を放送するなどして集めた多額の収益金を革新的ながん研究プロジェクトへ寄付し、臨床試験を後押ししているという。2008年に開始し、既に1億ドル以上をがん研究費の助成金として寄付している。

 「このような動きが起こるのは、国民がそうした活動を支持しているからです。皆さんが、本当に科学的根拠に基づいて医療を考え、臨床試験にも関心を持てば、日本のがんの臨床試験を取り巻く環境は変わるはずです」と上野氏は言う。

MDアンダーソンがんセンター・乳腺腫瘍内科部門教授の上野直人氏

米国では患者団体が臨床試験の推進に大きな役割
 講演に先立って上映された米国映画「希望のちから」でも、全米乳がん連合(NBCC)が、臨床試験の推進に大きな役割を果たす場面があった。

 「希望のちから」は、乳がんや胃がんの治療薬として使われている分子標的薬トラスツズマブ(商品名・ハーセプチン)が、数々の苦難を経て承認申請に至るまでの実話を描いた新薬開発物語。主人公の米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の腫瘍学・細胞生物学者、デニス・スレイモン(Dennis Slamon)氏は、企業の論理で開発が暗礁に乗り上げそうになる中、乳がんの新しい治療薬を早く患者に届けたいと孤軍奮闘する。

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