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がん患者のための臨床試験の話

2011/11/8

がん患者のための臨床試験の話 Vol.4

取り残される日本のがん治療薬開発

福島安紀=医療ライター

 適応追加申請のためには、公知申請が認められない限りは、改めて治験を行う必要があるので、製薬企業にとっては負担が大きく、時間もかかる。これは、適応疾患は変わらないが、より効果的な用法・用量に変更する場合も同様だ。

 2ページ目の表1に挙げたトラスツズマブ、イマチニブについても、ほかのがん種や用法に適応を広げる際には、やはりドラッグ・ラグが生じている。

 例えば、HER2陽性早期乳がんの術後化学療法については、国際的な臨床試験である「HERA試験」によって、トラスツズマブを12カ月投与すると死亡リスクが34%、再発のリスクが36%も抑えられるとの結果が出た。このHERA試験には日本の患者も参加し、結果は06年6月の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されている。しかし、日本で同薬がHER2陽性早期乳がんの術後化学療法に適応拡大承認されたのは08年2月だった。 

 9月5日の第24回がん対策推進協議会で参考人として意見を述べた国立病院機構名古屋医療センター院長の堀田知光氏は、こう提言している。「日本では薬事承認が保険適用の大前提になっているが、海外では新たに承認を得なくても、保険診療下で適応外使用が可能な仕組みがあります。私見ですが、標準治療に近いものについては、透明性の高い審査機関に保険を適用するかどうかの判断を委ねる仕組みが必要ではないでしょうか」。

 例えば、米国では、適応外薬については、食品医薬品局(FDA)が改めて承認しなくても、治験以外の研究者主導臨床試験の結果をリアルタイムに近い形で反映し、効果の高い適応症や用法・用量を記した米国保険償還可能薬一覧「AHFS DRUG INFORMATION」などに掲載されれば公的保険が使えるという。ドイツ、英国、フランスも同様だ。日本でも、適応外薬のラグを解消するためにそのような制度を導入すべきなのか、早急に検討する必要があるだろう。

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