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メッセンジャーナースへの手紙

2011/9/26

メッセンジャーナースへの手紙Vol.5

「痛みをとってもらいたい」の訴えに潜んでいた問題とは

村松静子=在宅看護研究センターLLP代表

 術後の胸部の痛みが、どこに相談してもとれない。なんとか痛みに対応してほしい――。がん患者会を通じて、こんな相談がメッセンジャーナースに寄せられました。患者のAさんは、子宮がんが肺に転移し、開胸術を受けていました。もともと甲状腺機能低下症と適応障害を持っていたため、3カ所の医療機関を受診していました。訴えに耳を傾けると、「自分を総合的に診てもらえていない」という強い思いを抱いていることが分かりました。今回は、Aさんとメッセンジャーナースとの直接的な関わり合いをつづりながら、患者の訴えに潜んでいる問題点とどのように向き合うかを考えてみました。


(村松さんのホームページの「父ちゃんの心の花束」より)

《Aさんとの関わり》

 メッセンジャーナースである私は、長年仕事を共にしてきた緩和ケアを専門とする医師に、Aさんの診察を依頼しました。その医師は、Aさんが受診していた3カ所の医療機関の医師との調整役を引き受けてくれました。その結果、患者さんの痛みは軽減し、病状も安定していきました。

 しかしある日、Aさんは私に、「先日の外来受診時、痛みが出てきていたので、細かな状況を分かってほしくて、先生に、それを伝えたいと思って話をしようとしたのに、あまり聞いてもらえなかった。突き放された感じがして・・・。だから、今日の外来で、自分がどのように先生に訴えたらいいか分からなくなっている」と打ち明けてきました。

 そこで私は、医師に対して、Aさんの「自分の痛みを分かってもらえないという思い」を伝え、「痛みの状況」を代弁しました。医師の返答はこうでした。「できる限りのことはしている。1つ問題が解決しても、また次々と訴えが出てきて、自分には重荷にさえなっている」。

 私は、その日の診察に同席させてもらおうかと考えていましたが、私がその場にいることは医師にストレスを与えてしまうと感じたので同席はせず、他の看護師に状況を説明し対応してもらいました。しかし、診察が終わり、出てきたAさんに私が声をかけた瞬間でした。Aさんは「やっぱり分かってもらえない。うまく言えない」と泣きながら話されました。「先生に『私の痛みは精神的なものでしょうか』と、的を得ない質問をしたんです。なぜそんな質問をするのかと聞かれたけれど、うまく答えられなくて…。こんなことを先生に言っていいのかどうかも分からなくなってしまって」と続けました。

 私が「こんなことって?」と質問をすると、Aさんは「留年中の娘さんがうつ病になり退学になるかもしれない」と、娘さんの問題で悩んでいると言います。そのことを相談をする場もなく、またAさん自身が娘さんと関わることに恐怖心を抱いている、助けを求めようにも家族は協力してくれないなどと、次々に話されました。

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