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メッセンジャーナースへの手紙

2011/7/18

メッセンジャーナースへの手紙Vol.4

胃がんの兄が1人で自宅療養、心配な家族は実家での療養を望むが・・・

村松静子=在宅看護研究センターLLP代表

 今回は、お兄さんの今後が心配でたまらないという妹さんからの相談事例です。胃がんの、それも末期と診断されたお兄さんが1人で自宅療養をすることになりました。心配な家族は、実家での療養を望みますが、お兄さんは聞き入れません。家族はお兄さんが通院している病院のソーシャルワーカーに、お兄さんに家族の意見も聞くように話してもらいたいと依頼しました。でも、「患者さん中心」という考えをかたくなに守ろうとする人で、家族の気持ちはないがしろにされているようです。患者さんご本人をはじめ、その身近な方々あるいは医療従事者にとって、どのような対応が求められるのか、皆さんも一緒に考えてみていただけないでしょうか。


(村松さんのホームページの「父ちゃんの心の花束」より)

《相談者からの手紙》

 兄のことで相談します。

 兄が胃がんになりました。まだ40代なのですが、もう既に末期だと言われました。でも、兄は「死ぬまで治療していたい」と強く希望しています。

 兄は昨年、離婚しました。その時のごたごたで、両親に迷惑をかけてしまったという負い目があるようで、入院や治療に関しては、家族に相談することなく自分で決めていました。

 でも調子が悪くて体が動かない時などは、兄の家の近くに住んでいる私の所に、必要なものを届けてほしいという連絡が入ります。その時に、連絡役となってくれていたのが病院の中にある「連携室」のソーシャルワーカーさんでした。そのソーシャルワーカーさんは、「患者さん中心」という考えをかたくなに守ろうとする人でした。そのためもあって、家族が兄のために何かしようとしても、ソーシャルワーカーさんが間に入るので、なかなか思うようにいかないのです。

 自宅で療養することが決まってからは、兄はがんの末期でしたから、ソーシャルワーカーさんは、介護保険の申請手続きを指導してくれたり、また自宅療養に関する様々な情報も提供してくれたりしました。

 家族としては、兄を1人で生活させるのは不安です。できれば実家に引き取りたいというのが、両親の希望でした。しかし、これは私の推測なのですが、兄はがんの末期という現実を受け入れていないようで、両親の提案も受け入れず、実家に帰るつもりもないと言います。

 私の家は実家と兄の家のちょうど中間にあるので、これから本格的に兄が自宅療養を始めたら、私が兄の所に行かざるを得なくなると思います。でも、訪ねた時に兄が倒れていたらどうしようとか、たった1人で死を迎えることになったらかわいそうだとか、そんなことばかり考えてしまいます。

 ですから私も、兄を1人にしたくはありません。そこで、兄にできるだけ家族の意見も聞き入れてほしいと思い、そのことでソーシャルワーカーさんと話そうと思いました。でも、ソーシャルワーカーさんは「ご本人の希望を最優先する」の一点張りで、家族の言葉に耳を傾けるという雰囲気ではないのです。

 家族としては、これからの兄の自宅療養はとても不安ですし、家族の意見を聞こうとしないソーシャルワーカーさんには、本当に兄の体の具合を理解しているのかと不信感も募ってしまうのです。兄は、調子が良い時は、がんであることを忘れていたいようです。もちろん家族としては、兄の気持ちは理解できます。ですが、末期ということなので、家族としても「もう時間がない」と焦ってしまう気持ちがあります。病棟の看護師の方々は不思議なほど、自宅療養に無関心に見えます。連携室にお任せといった様子です。

 こんな時、どのような方に間に入ってもらえるのか色々迷いましたが、メッセンジャーナースの方でしたら、家族の気持ちも理解した上で兄の今後の自宅療養のことを考えていただけるのではないかと思いメールさせていただきました。よろしくお願い致します。

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