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こんなとき、このエキスパートのもとへ

2014/5/27

こんなとき、このエキスパートのもとへ 第15回

臨床研究コーディネーター●臨床試験への橋渡し役だけでなく試験中の悩み相談にも応える

福原麻希=医療ジャーナリスト

 がんの闘病中、患者や家族の治療や療養のサポートをしてくれるエキスパートたち。第15回は「臨床研究コーディネーター」を取り上げる。臨床研究とは何か。そのとき、臨床研究コーディネーターは患者にどんなサポートをしてくれるのか。今回は昭和大学統括薬剤部、および、同大学病院臨床試験支援センターに所属し、ブレストセンターで薬剤師として臨床研究コーディネーターの業務に携わる奥山裕美氏に詳しく話を聞いた。

臨床研究コーディネーターProfile


●臨床研究コーディネーターとは
 「臨床研究」とは、細胞実験や動物実験を経て立証された科学データに関して、人間でも同様の効果が認められるかどうか確認するための研究のこと。そのうち、新しい治療・診断法・医療機器・看護ケアなどの有効性や安全性を評価する目的で、実際に人間が参加する形で実施される研究を「臨床試験」という。


 臨床研究コーディネーターは、臨床試験を実施する時、倫理的な配慮のもと、科学的に適切・円滑に進めるため、院内の関連部署との調整や患者・家族のサポートを担当する。CRC(clinical research coordinator)と呼ばれる。信頼性の高いデータを作成するため、薬剤師・看護師・臨床検査技師らがその専門性を生かして業務に当たる。患者、医師、製薬会社のすべてをサポートし、コーディネートする。


●どこにいるの?何人いるの?
 臨床試験を実施している病院やクリニック。
 CRCの認定は、日本臨床薬理学会、日本SMO協会、SoCRA、ACRPの4団体がそれぞれ資格取得の試験を行っている。
 日本臨床薬理学会の現在の認定CRCは1589人(受験者の条件は薬剤師・看護師・臨床検査技師の有資格者であるほか、医療者の資格がなくても受けられる)。


●臨床研究コーディネーター料は?
 CRCのサポートを受けるときの患者負担はなし。


●職能団体
 CRCの職能団体はない。

プロフィール 1983年明治薬科大学卒。2009年東京医科歯科大学大学院医師学総合研究科修士課程修了。大学卒業後、企業に就職し化粧品開発をしていた。その後99年、新GCP施行を機に、治験のモデル病院となった東京都立駒込病院で治験事務局CRCに。乳腺外科専任薬剤師としての経験も積む。聖路加国際病院教育・研究センター研究管理部CRC勤務後、2010年から現職。2014年からは同大学薬学部病院薬学講座講師。

 がん患者であれば、「臨床試験」という言葉は聞いたことがあっても、実際に関わったことのある人は少ないかもしれない。

 臨床試験には「治験」「製造販売後臨床試験」「研究者(医師)主導臨床試験」の3種類あり、現在一番多く実施されている「治験」とは、新薬や新しい治療、新しい医療機器などについて厚生労働省から承認を得ることを目的に実施する試験をいう。
 
 かつて、治験は医師と患者のみで実施されていた。だが、1998年、新GCP(Good Clinical Practice=医薬品の臨床試験実施に関する基準)という日本と欧米の共通ルールが厚生労働省の省令として施行されるようになり、試験の質と信頼性、参加者の人権と安全が厳しく守られることが担保されるようになった。そこで、試験の開始から終了までスムーズに進んでいくように、「臨床試験コーディネーター(以下、CRC)」という職種が活躍している。

 現在、がん診療連携拠点病院では、治験に関わる部署がありCRCが所属していることが条件になっている。

 昭和大学病院「臨床試験支援センター(センター長・小林真一氏)」では、治験事務局担当者のほか、CRCが6人所属する。CRCは薬剤師・看護師・臨床検査技師の有資格者がそれぞれ2人ずついる。

 同大病院では同大東病院を併せて、毎年およそ15件前後の臨床試験を製薬会社から受託する。がん領域はおよそ1割程度。肺がん、胃がん、乳がん、前立腺がんで実績がある。このほか、循環器疾患(虚血性心疾患、2型糖尿病)、消化器内科(C型慢性肝炎、潰瘍性大腸炎)、皮膚科(乾癬、スティーブンス・ジョンソン症候群)などを実施してきた。

 奥山裕美氏は薬剤師の資格を持ち、この職種の黎明期から業務に携わってきた。現在はブレストセンターで、ブレストセンター長である医師の中村清吾氏のもと、乳がんの治験を含む臨床研究全般を担当する。

 乳がんの臨床試験では、さまざまな薬剤の開発が進んでおり、試験の目的は従来の薬による治療法と比較して、さらに有効であるかどうか、さらに副作用が少なく安全性が高いか、などを確認し評価する。

 こうした臨床試験に参加する上で、CRCはどんな場面で、どのように患者をサポートしてくれるのか。今回は、既存薬剤の剤形を改良して開発が進められた薬剤の治験のケースを詳しく紹介する。

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