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こんなとき、このエキスパートのもとへ

2013/7/16

こんなとき、このエキスパートのもとへ 第13回

臨床心理士●気持ちがつらいとき、困ったときに相談を

福原麻希=医療ジャーナリスト

話を聞いてもらうとスッキリし、論理的に考えられるようになる

 神奈川県に住む40代女性のA子さんが、II期の乳がんと告知を受けたのは2011年の夏だった。主治医からは乳房全摘を勧められた。だが、「外見的に・・・。どうしても乳房を残す道(乳房温存療法)を模索したい」と思った。そこで主治医と相談し、手術前に外来で抗がん剤治療を受けて、がんを小さくできるかどうか、試してみることになった。

 その頃から、気持ちが沈みがちになった。「どうして、がんになったのだろう」と自分を責めたり、「これから、育児や新しいことをしようと思ったのに」とイライラしたり。そんなときは、家事が手に付かない。でも、両親にもママ友にも話せず、一人で辛い思いを抱えていた。

 そんなとき、主治医が野村氏のカウンセリングを受けることを勧めた。野村氏はA子さんと初めて会ったとき、こう言った。

 「がんになったことで、いろいろな思いが出てくるのは当然です。ここで話して、これからどうしていけばいいか、一緒に考えていきましょう」

 A子さんは外来抗がん剤治療中に6回、入院中1回、野村氏のカウンセリングを受けた。毎回、涙を流しながら、自分の思いを話した。A子さんにカウンセリングの感想について聞いたところ、こう話してくれた。

 「カウンセリングでは、ひとまず話を聞いてもらえるので、スッキリして落ち着きます。毎日、気持ちに波があるのですが、『今度の予約日に話を聞いてもらえる』と思うと、日々の心の支えになります」

 結局、手術では乳房を全摘することになった。A子さんは大変ショックだったが、何とか乗り切った。

 退院後は抗がん剤とホルモン療法を用いる治療が始まった。だが、ホルモン療法を受けている間、周期的に気持ちが落ち込んだ。そんなときはネガティブ思考になり、前向きになれなかった。 

 「いつ再発するのだろう」「自分は死ぬのではないか」という考えにとらわれた。夫に話しても「誰でも、いつかは死ぬんだから」と言われてしまい、共感してもらえなかった。死と向き合う自分と、夫との間に距離ができてしまった。

 この時期から、再び、野村氏のカウンセリングを受けるようになり、気持ちのバランスを保つようになった。

 A子さんは、このときのことをこう振り返る。「野村先生と話していると、物の考え方が1つではないと分かったり、『また、がんばろう!』と思えたりして元気が出るんですよ。ママ友や近所の人には特別な目で見てほしくないので、とても言えません」。A子さんは、いまでも野村氏のカウンセリングに通う。

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