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こんなとき、このエキスパートのもとへ

2012/7/10

こんなとき、このエキスパートのもとへ 第10回

薬剤師●薬物治療のスペシャリスト

福原麻希=医療ジャーナリスト

薬剤師の情報が患者の心に安心をもたらす

 愛知医科大学病院薬剤部には、薬剤師が66人いる。▽外来調剤室▽入院調剤室▽注射室▽製剤室▽医薬品管理室▽外来化学療法室▽医薬品情報管理室▽治験管理室▽薬物療法支援室の9部署に分かれ、毎日、いろいろな業務をこなしている。

 山本泰大さんは薬物療法支援室の所属で、婦人科病棟を担当している。

 朝の仕事は、担当病棟の患者についてのカルテ確認から始まる。毎日平均26人の患者を受け持つ。前夜の業務終了後から出勤までの深夜の時間帯に新たに薬の投与や検査の追加がなかったか、どんな様子だったかを情報収集し、病室回診の優先順位をメモしていく。

 愛知医科大学病院の婦人科には、おもに卵巣がん、子宮体がん・頸がんの患者が多く入院してくる。年齢は40代〜60代が多いが、若い20代の患者もいる。

 「○○さん、こんにちは。薬剤師の山本です。いま、少しよろしいでしょうか」

 ゆっくり、部屋の扉やカーテンを開け、まず名前を名乗りながら挨拶をする。扉やカーテンの外から、山本さんの話し声だけ聞かせてもらった。

 「新しい薬を持ってきました。この薬は前のものと違って・・・」 山本さんはイラスト入りの説明ボードを作って、それを見せながら薬の飲み方や副作用の説明をしたという。薬の作用の仕組みや副作用をしっかり理解してもらうことで、薬の飲み忘れや患者の判断による飲み方の変更がなくなるからだ。

 ときどき、患者が勝手に薬を飲む回数を減らしたり、飲み忘れたからといって続けて飲んだりすることがある。だが、薬は血液中の濃度が一定の範囲に収まっていることが大切で、多すぎれば副作用が発生するし、少なければ効果が得られない。指示された用量より多く飲んでしまうと、体内での成分濃度が高くなりすぎ、副作用が出現する可能性が高くなる。このため、決まった時間帯に、決められた用量を飲まなくてはいけない。どうしても飲み忘れてしまう場合は、患者の服用状況や日常生活の様子を薬剤師が聞き取る。医師や看護師と話し合いながら、患者の日常生活に適した服薬時間や服薬しやすい薬への変更を提案することも大切な仕事だ。

 患者は医師の診察や回診時、「何か変わったことはない?」と聞かれても、何も訴えないことがある。医師の前では「いい子」「手のかからない患者」でいたいという気持ちを持つからだ。

 薬剤師は、できるだけ患者の本音を聞き出すために、顔色や体調などを観察するとともに、ちょっとした質問や疑問にも答えたりする。そんな普段からのコミュニケーションが患者に安心感をもたらし、本音を話してくれるようになるという。

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