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こんなとき、このエキスパートのもとへ

2011/10/18

こんなとき、このエキスパートのもとへ 第8回

作業療法士●「当たり前の動作」を取り戻すために

福原麻希=医療ジャーナリスト

写真4 家屋訪問指導で、出入り口の手すりの位置と壁の素材、浴槽をまたぐときの高さ、浴槽から立ち上がるときの手すりの位置などを確認する。

 Bさんの自宅では、主に玄関、浴室、トイレ、寝室を中心に、段差の有無やその高さ、手すりの取り付け位置、壁の素材、浴槽の高さなどをチェック(写真4)。3人が自ら動作確認をすると共に、Bさん夫婦にも実際に歩く、立ち上がる、またぐなどの動作をしてもらった。また、どんな福祉用具をレンタルすれば生活しやすいかについても話し合った。

 家屋訪問終了後、Bさんは「これで安心して生活できます」と安堵した表情を見せた。

 ケアマネージャーの小松氏は「Bさんは病気で生活動作が低下していましたが、幸い、今回リハビリで改善できました。今後、病気とうまく付き合っていく上で、自宅ではどういうことに留意して過ごせばいいか、作業療法士のプロの目が入ることは、ご本人、ご家族、私たち介護職にとっても安心につながります」と話す。

 自宅で部屋と浴室やトイレに小さな段差がある場合、つい家族は「この段差を上手に越えることもリハビリだね」と言ってしまいやすい。だが、本人にとっては、毎日毎回段差を越えることに絶えず努力が必要になると、疲れてしまい、生活に楽しみを感じる余裕がなくなってしまう。このため、家屋を改修したり、福祉用具を使ったりすることも積極的に考えた方がいいという。

 生活動作の1つ1つができるようになると、患者の希望は次々に湧いてくる。それこそが生きる喜びだろう。作業療法は、生活しやすくなることを目的とするだけでなく、生きる希望や喜び、生きていく自信を持たせてくれる、療養における大切な時間である。



1)「乳がん術後患者のADLとQOL」(作業療法2010;29:170-82.) 調査対象者の平均年齢は58.4歳(22〜94歳)、平均術後経過期間は62.6カ月、病期は回答者の半数がステージII、手術方法は回答者の3分の2が部分切除、リンパ節郭清(郭清とは切除の意味)は半数近くで実施、リハビリ介入の有無も聞いた上でデータを分析検討している。

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