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こんなとき、このエキスパートのもとへ

2011/5/31

こんなとき、このエキスパートのもとへ 第7回

理学療法士●継続したリハビリで患者の心と生活を豊かに

福原麻希=医療ジャーナリスト

表2 がんになったときに不自由になりやすい生活動作とその対処法

不自由になりやすい生活動作対処法
寝返り体をひねることで痛みが起こる場合は、枕を抱くなどして肩から腰までの胴体全体を丸太のように一体化し、身体全体をゴロンと同時に動かすようにする。
起き上がる普段のようにまっすぐ頭部を起こすと、腹筋を使うため、術後は手術の傷が痛むことが多い。筋力が低下していて起きられなかったり、体を自分で動かすと痛かったりすることもある。こんな場合は、(1)ベッドのギャッジアップを利用する(2)手術したを傷口を伸ばさないように手で押さえながら動く、うつ伏せ気味で起き上がる(3)なるべくひねる動作をしないように動く。
ベッドから立ち上がる、移動する(1)立つ前にベッドの高さを上げておくと、立ち上がりやすい(2)ベッドの柵を手すりとして利用する(3)足が弱っている場合、手のつき方を工夫しながら腕の力を使うと、立ち上がりやすくなる。例えば、手で座面を押して腰を上げてから、片手ずつ(あるいは、両手を)手すりに持ち替えて力を入れると、前かがみから身体を起こしやすい。
車いすに乗る自分で車椅子に座ることができない、自分でベッドから移動すると疲れてしまう場合は、2〜3人の介助で平行に抱えてもらいながら、車いすへ移る。その時、車椅子に傷む部位が当たらないよう、クッションなどを利用する。
楽に呼吸する(1)ベッドの頭の方をギャッジアップする(2)膝を軽く曲げる(3)横向きになる
トイレに行くベッドとトイレの距離を短くしたり、家具や手すりなどをうまく配置して伝い歩きができるようにする。
歩く適切な歩行補助具(杖や歩行器など)を選ぶ。痛みが軽減するような歩き方を練習する。

 「いつも天井ばかり見ているので、昼間は起き上がりたい」「トイレだけは自分1人で行きたい」「車いすに乗って外出したい」「好きな場所を散歩したい」――。リハビリは、闘病中のがん患者のこうした希望を実現に近付けることができるほか、(1)患者が社会的な役割(家庭内の父親や母親として、夫や妻として、友人同士の人間関係など)を取り戻す、(2)不安、怒り、悲しみ、落ち込み、孤独感、いらだちなどの精神的な苦痛をやわらげる――といった効果も期待できるという。

 今回は、聖隷三方原病院(静岡県浜松市)リハビリテーション部に所属する理学療法士の俵祐一氏と内山郁代氏に、がんに関するリハビリについて詳しく話を聞いた。

呼吸のつらさ、痰の出しにくさは改善できる
 聖隷三方原病院は1981年に日本で初めてホスピス病棟を開設したことで知られ、がんのリハビリも全国の総合病院の中で早期といえる1996年から手掛けてきた。現在、主に肺がん・胃がん・食道がんの手術前後、乳がん術後、抗がん剤治療を含めた緩和ケア、ホスピスなどのがん患者にリハビリを行っている。

 まず、肺がんなどの術後に生じる、痰や呼吸のトラブルに対するリハビリの実際を、主に呼吸器疾患の患者のリハビリを担当している俵氏に聞いた。

 肺がんを含めた肺の病気の手術後は、一般的に酸素の取り込み量が低下し、呼吸が苦しく息切れしやすくなる。また、傷の痛みによって咳や水分摂取がつらくなり、痰が出にくくなる。痰が貯留すると、肺炎の原因になりやすい。このような症状は、開胸手術だけでなく、内視鏡手術でもリスクがある。また、胃がん、食道がんの手術でも、同様の症状が起こる可能性はある。

 「こんな症状があるとき、理学療法士に相談してください。身体に負荷がかからない呼吸法や上手な痰の出し方を患者さんに伝え、さらに、ベッドから起き上がり歩けるようになることを目的にリハビリを行っています」と俵氏は言う。

 聖隷三方原病院の場合、術後、スムーズにリハビリを始められるよう、患者には手術2日前から入院してもらい、理学療法士が術前にリハビリの説明や患者の身体状態の把握を行っている。一例を紹介しよう。

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