このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

Report レポート

レポート一覧へ

新着一覧へ

こんなとき、このエキスパートのもとへ

2011/1/18

こんなとき、このエキスパートのもとへ 第5回

診療放射線技師●放射線治療・検査の不安や質問に私たちが答えます

福原麻希=医療ジャーナリスト

 がん闘病中、患者や家族は様々な不安や悩みを抱える。この連載(不定期掲載)では、そんなときに相談に乗ってくれるエキスパートたちを紹介する。第5回は「診療放射線技師」。放射線治療は手術・抗がん剤と並ぶ、がんの3大治療の1つ。がん病巣と転移に対する局所の治療で、がんの根治、症状の緩和、再発の予防など様々な目的で用いられる。 手術とは異なり、臓器を温存できるメリットがあるのも大きな特徴だ。診療放射線技師にはいつ、どんなことが相談できるのか。そんな疑問にお答えする。


診療放射線技師Profile

●診療放射線技師とは?
医師や歯科医師の指示の下、人体に放射線を照射することができる人(国家資格)。近年の医学の進歩により、現在では放射線を用いないMRIや超音波などの検査も担当する。業務は下記の3種類に大別される。
(1)診断:一般撮影(X線撮影やマンモグラフィーなど)、CT、MRI 、血管造影などの検査を行い、撮影した画像を処理・読影(異常の有無を検討)する。
(2)核医学:患者の体内に経口または静脈内投与したRI(Radioisotopeラジオアイソトープ:微量の放射性同位元素を含む薬品)から放出される放射線を検出して、甲状腺、肝臓、骨などの腫瘍の形態や機能を調べる。PET検査を含む。
(3)治療:放射線科医が立てた治療計画に基づいて細かな設定を行い、放射線治療の現場にも立ち会う。
●どこにいるの? 何人いるの?
診療放射線技師の国家資格保有者は約4万7千人。
医療機関(病院、診療所)のほか、行政(都道府県庁、保健所などで医療監視や指導をする)、教育機関(大学、養成校の教員)などで働く。(日本放射線技師会調べ)
●診療放射線技師を探すには?
医療機関内の放射線撮影室、CT室、MRI室など
●相談料は?
無料
●職能団体
社団法人日本放射線技師会
http://www.jart.jp/

 がんの治療法として放射線治療を選んだものの、闘病中はいろいろな不安や疑問が思い浮かぶ。診察やインフォームドコンセントでは、主に主治医と話をするため、治療を受け始めてからも「治療内容については医師にしか質問できない」と思い込んでいる患者は少なくない。

 だが、いつも治療現場にいる診療放射線技師にも、放射線治療について十分相談できる。埼玉県立がんセンター放射線技術部副部長の諸澄邦彦氏に詳しく話してもらった。

諸澄邦彦氏
1952年生まれ。78年千葉大学医学部附属診療放射線技師学校卒。浜松医科大学医学部附属病院、埼玉県立小児医療センターなどを経て、2009年から埼玉県立がんセンター放射線技術部副部長。03年から 日本放射線公衆安全学会長。

診療放射線技師は放射線治療で一番身近な人
 放射線療法には、主に主治医・放射線科医・診療放射線技師の三者が携わる。それぞれどのように役割が異なるのか、知っておこう。

 主治医からは、自分のがんにどんな治療法を選ぶことができるかについて話がある。そのとき、放射線治療が選択肢に挙がれば、今度は放射線科医から説明を受ける。

 放射線科医は患者の病態全体を考慮しながら、治療計画を立てる。どれぐらいの放射線を当てれば、がんが小さくなるか(あるいは、消失できそうか)を判断し、放射線の総線量(単位はグレイ)を決定する。そのときに伴う副作用を、いかに少なくするかも検討する。

 その後、診療放射線技師は、放射線科医が立てた治療計画を正確に実施する。放射線出力の機械からがん病巣までの距離、どの方向から、毎回何グレイずつ、何分間、何回に分けて照射すれば治療計画を完遂できるか検討し、実際の現場にも立ち会う。

 例えば、前立腺がんの場合、がんの消失を期待するためには、総線量70グレイ以上の照射が望ましいとされている。 「当センターでは、リニアック(Linear accelerator=医療用直線加速装置)という放射線機器を用いて、総線量72グレイを照射します。1回の治療では、がん病巣まで1メートルの距離から、直腸を避けて四方向から斜めに、1方向0.5グレイずつ、計2グレイ照射します。1方向の照射時間は約1分で、あっという間に終わります。総線量が72グレイに到達するまで全部で36回照射しますので、治療期間は1カ月半ぐらいになります」(諸澄氏)
 

この記事を友達に伝える印刷用ページ

Back Number バックナンバー