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がんに負けないお金の話

2017/3/6

がんに負けないお金の話Vol.1

がん患者の「医療費控除」で少しでも多く税金を取り戻すには

福島安紀=医療ライター

 昨年1月から12月までの1年間で10万円以上医療費を自己負担した人は、確定申告をすれば税金の医療費控除が受けられる。申告の期限は、3月15日までだ。できるだけたくさん医療費を取り戻すにはどうしたらよいのか、実際にどのくらい戻ってくるものなのか。『スラスラわかる確定申告』(成美堂出版)などの著書がある税理士、山上芳子氏に聞いた。


山上税理士事務所所長の山上芳子氏

 「医療費控除は、医療費がかさんで家計の負担が重かった分、税金を少し戻してもらえる制度です。少しでも多く取り戻すためには、まず、生計を1つにしている家族全員の医療費の領収書を集めて合算することです。がんの治療のためにかかった医療費の領収書だけではなく、他の病気や歯の治療でかかった医療費、通院のために払った交通費、風邪薬、胃薬など市販の薬を買った費用も忘れずに足しましょう」。山上氏は、そう説明する。

 2016年1月1日から12月31日までにかかった家族全員の医療費の領収書を集めてみてほしい。医療費の自己負担額から、高額療養費や民間保険の保険金として戻ってきた金額を除いて、10万円(所得が200万円以下の人は所得の5%)を超えていれば、医療費控除が受けられる(図1)。

図1 医療費控除額の計算式

差額ベッド代や付き添い費用なども忘れずに合算
 医療費控除を受けるには、最寄りの税務署などへ行くか、インターネットを使って、2月16日から3月15日までに確定申告をしなければならない。

 確定申告には、確定申告書、医療費明細書、医療費の領収書・レシート、源泉徴収票(給与所得者のみ)、印鑑が必要だ。国税庁のホームページの「確定申告書等作成コーナー」で確定申告書を作成したり、医療費を集計するファイル(医療費集計フォーム)をダウンロードしたりすることもできる。公共機関の交通費以外はすべて領収書が不可欠だが、家計簿や手帳などにしっかり書いてあれば、領収書がなくても大丈夫な場合もあるという。

 医療費として申告できるのは、病気、けが、歯の治療のためにかかった費用などだ(表1)。別々の公的医療保険に加入していても、生計を一つにしている家族全員の医療費を合わせて申告できる。別々に住んでいても、単身赴任や仕送りしている家族の分も合算することが可能だ。

表1 医療費控除の対象として認められるのは?

◆控除の対象として認められるもの◆
・医師または歯科医師による診療費、治療費
・出産費用
・医薬品の購入費用(漢方薬・市販薬も含む)
・治療のためのマッサージ・指圧師、鍼灸師、柔道整復師などによる施術費
・人間ドックなどの費用(検査の結果、病気が見付かった場合に限る)
・メタボ健診の結果により行われる特定保健指導費用
・医療機関への電車代、バス代、タクシー代
・入院費用
・介護費用(領収証などに「医療費控除の対象になる金額」と記載のあるもの)
・厚生労働省認定クアハウスなどの利用料(温泉療養証明書が必要)
・海外でかかった治療費、入院費用
・医師の往診の送迎代  など
 
◆控除の対象として認められないもの◆
・予防接種費用
・美容上の費用
・通常要する医療費の範囲を超えるもの(個人の希望で入った差額ベッド代など)
・人間ドックなどの費用(検査の結果、異常がなかった場合)
・入院中にかかった身の回り品購入費、テレビ・冷蔵庫などの貸借料
・親族に支払う療養上の世話代
・自家用車のガソリン代、駐車費用
・医師や看護師への謝礼  など
(『スラスラわかる確定申告』(成美堂出版)より一部改変)

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