「こんなにお金がかかるのなら、がん保険に入っておけばよかった」――。がんの体験者(サバイバー)の中には、そう思っている人もいるだろう。再発や転移に備えて保険に入っておきたいというサバイバーも少なくない。しかし、医療保険やがん保険の多くは、1度がんにかかると加入することができないのが現実だ。さまざまながん保険があるが、この中にサバイバーが入れるがん保険はあるのか、調べてみた。
現在、発売されているがん保険の多くは、過去にがんにかかったことのある人や、現在入院中または入院・手術を勧められている人などは加入できないことになっている。しかし、がん治療を経験し、その経済的負担の大きさを実感したからこそ、がん保険の重要性を認識しているサバイバーも少なくないはずだ。
そんなサバイバー向けのがん保険を出しているのは、今のところ2社のみだ。
以前にかかったがんの種類を問わず入れるのが、アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)の「優しいがん保険」だ。加入できるのは、がんの治療が終わった日から10年以上経過した、満50歳から80歳までの人。ここでいう「がんの治療」とは、手術、放射線治療、薬物療法であり、治療終了後の経過観察のために受けている検査は含まれない。つまり、手術だけで治療が終わった人は、手術日から10年経過すれば加入できるわけだ。加入に際して、医師の診査は必要ない。
保障内容は、がんで入院した場合の入院給付金として1日1万円、20日以上入院した場合には退院時に在宅療養給付金が支払われ、さらに死亡保険金も付いている(表1)。がんにかかったことのない人のためのがん保険のように、がんと診断確定したら100万円といった診断給付金はないが、入院給付金の日数および在宅療養給付金の回数は無制限なので、がんで入退院を繰り返すときには安心かもしれない。
月額保険料は、男女共に50歳4016円、60歳5392円、70歳7264円。保険期間は終身で、加入すれば保険料は一生上がらないタイプの保険だ。
表1 アフラックの「優しいがん保険」の保障内容と保険料の例
乳がん限定で術後療法中でも入れるがん保険
もう1つは、乳がんのサバイバーのみを対象にしたがん保険だ。セコム損害保険の自由診療保険「MEDCOM One(メディコムワン)」で、手術後にがんの所見がなく一定の経過期間を経れば、ホルモン療法など術後療法中の人でも加入できる。経過期間は、治療した乳がんの病期によって異なり、ステージ0の人なら手術日から6カ月超、ステージIなら1年超、ステージIIで3年超、ステージIII、IVは6年超となっている。対象年齢は20歳〜65歳だ。
