がん保険は、生命保険会社や損害保険会社から、さまざまな商品が発売されており、その保障内容も多岐に渡る。がん保険を選ぶポイントとともに、医療保険などがん保険以外の保険や貯蓄を含めた家計全体におけるバランスの取り方をまとめてみた。
がん保険は現在、複数の生命保険会社、損害保険会社から発売されており、その保障内容はがん治療に合わせて充実してきている(2011.8.23「新製品が続々と登場するがん保険」参照)。身内ががんになって不安になり、がん保険への加入を考える人も増えてきているという。しかし、そもそも、がん保険は必要なのだろうか。
医療費を確保するための民間の保険には、生命保険の医療特約、医療保険、3大疾病保険などがある。
医療保険は、入院給付金や手術給付金を受け取ることができるほか、退院後の通院給付金や死亡保険金が付いた商品もある。また、3大疾病保険は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の3大疾病にかかったときの入院給付金や手術給付金を保障するほか、保険期間内にこれら3つの病気以外で死亡した場合でも同額の保険金を受け取ることができる。つまり、3大疾病の治療費に備えつつ、死亡保障もほしいと考える人には、3大疾病保険も検討する価値があるというわけだ。
「がん保険は、死亡保障や医療保障に上乗せして保障が欲しいときに入るものであり、より少ない金額で入れるものにするのが一般的」と語る家計アイデア工房社長の柳澤美由紀氏。
では、がん保険はこれらの保険とどう違うのだろうか。
「がん保険の大きなメリットは、がんと診断が確定した時点でまとまった金額の診断給付金を受け取ることができ、入院給付金が出る日数が無制限であること。がんという病気は再発・転移する可能性もあり、入退院を繰り返すケースも多いことを考えると、入院給付金が出る日数が無制限というのは安心です」
『書き込み式 老後のお金の「どうしよう?」が解決できる本』(講談社)などの著書がある1級ファイナンシャル・プランニング技能士、家計アイデア工房社長の柳澤美由紀氏は、がん保険のメリットをこう話す。
一部を除いて、ほとんどのがん保険は、たとえ早期がんでも、1度がんになった人は入ることができないため、がんになる前に入っておく必要がある(がんにかかったことがある人が入れるがん保険については次回を参照)。
「中には、親ががんになったから、自分もがんになるのではと心配し、がん保険だけ手厚くして医療保険に入っていない人がいますが、お金がかかる病気はがんだけではありません。たとえ、身内ががんになっていても、自分ががんになるかどうかは分かりません。がん保険は、死亡保障や医療保障に上乗せして保障が欲しいときに入るものであり、より少ない金額で入れるものを選ぶのが一般的です」と柳澤氏。つまり、がん保険を選ぶときのポイントは保険料だという。
「がん保険というと、診断給付金、入院保障、通院保障に加えて収入保障も、というようにすべてに手厚いものに入りたいと考えてしまいがちですが、保障が多ければそれだけ保険料も高額になってしまいます。保障内容はあまり欲張らないようにしましょう。まずは最低限必要な保障は何かを決めて、その上で複数の商品の保険料を比較してみるとよいでしょう」と柳澤氏はアドバイスする。
がん保険は“掛け捨て”の保険であり、保険料は安いに越したことはない。では、柳澤氏がいう「最低限必要な保障」は、何を基準に考えればよいのだろうか。
