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がんの経過観察はクリニックで受ける時代に

2010/2/2

がんの経過観察はクリニックで受ける時代に(3)

乳がんのフォロー(後編):後遺症や副作用はまずかかりつけ医に相談を

 再発への不安以外に、経過観察中の乳がん患者を悩ませるものとして、手術や放射線治療の後遺症や薬の副作用がある。病診連携を利用した場合、これらの症状は、まずかかりつけである診療所医師に相談しよう。診療所医師が症状に合わせて対処し、必要がある場合には、病院を受診できるよう手配もしてくれる。

 乳がんの手術の後遺症として最も頻度が高いのが、手術をした乳房の側の上腕のリンパ浮腫だ。早期乳がんの場合、リンパ浮腫の原因となる腋窩リンパ節郭清が、センチネルリンパ節生検を行うことで省略されることが増えている。

 センチネルリンパ節生検のみを受けた場合、「リンパ浮腫はほとんど発症せず、発症しても軽症止まりで、治療が必要になる患者はまずいない」(四国がんセンター乳腺外科の青儀健二郎氏)ので、自分の受けた術式を確認しておくといい。リンパ郭清を受けた場合、手術を受けた側の腕にリンパ浮腫が発生するリスクがある。そのため、腕が重い、腫れるなどの症状がある場合には、早めに診療所医師に相談しよう。

 また、乳房温存術を受けた患者は、標準治療として温存乳房の放射線照射を受ける。この放射線治療の主な副作用は肺臓炎だ。乳がん患者における肺臓炎の発病率は数%と低いが、「放射線治療後の半年程度は、乾性の咳といった風邪様の症状への注意が必要」(青儀氏)なので、そのような症状が現れた場合にも、まずは診療所医師に相談したい。

術後ホルモン療法のポイント
 術後のホルモン療法としては、閉経前であれば抗エストロゲン薬のタモキシフェン、閉経後はアロマターゼ阻害剤が第一選択薬となる(表1)。

表1 ホルモン剤(タモキシフェン、アロマターゼ阻害剤)による主な副作用とその対処法

 タモキシフェンとアロマターゼ阻害剤共通の主な副作用は、更年期様症状。それに対しては、更年期障害の診療に準拠した治療を受けることになるので、診療所医師に相談して欲しい。ただし、寝汗で就寝中に何度も下着を替えるなど、QOLが低下している場合には、薬の変更も検討すべきだ。我慢できない症状がある場合は、診療所医師に依頼して、病院のがん専門医を受診できるよう取りはからってもらおう。

 また、タモキシフェンに特徴的な副作用は不正出血。非常にまれだが子宮内膜がんが生じることがあるので、服薬中は年に一度の定期的な婦人科検診を忘れないで欲しい。

 一方、アロマターゼ阻害剤に特徴的な副作用には、手のこわばりやしびれ感などによる関節炎と骨密度の低下がある。こうした場合、アロマターゼ阻害剤の種類を変えることで関節炎の症状を抑えられることが多い。乳がん術後のホルモン療法で利用可能なアロマターゼ阻害剤は3種類あり、他のアロマターゼ阻害剤やタモキシフェンへの切り替えが可能となっている。そのため、関節炎や骨密度の低下などの副作用が出現した場合には、我慢せず、まず診療所医師に相談して、がん専門医を受診できるよう取りはからってもらおう。

(小板橋 律子=日経メディカル)

※この記事は「日経メディカル」2009年12月号特集「癌患者 引き受けます!」の内容を一部改変したものです。

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