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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2011/10/4

日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿Vol.15

今、がん対策で起こっている“変革”

患者、現場、地域の声を、立場を越えて束ねよう

内田亮、埴岡健一=日本医療政策機構 がん政策情報センター

 こうしたがん条例成立に向けた動きは、現在、各地で見られ、11年度も多くのがん条例の制定が見込まれている。例えば山梨県では、県議会議員による「がん対策推進条例案検討委員会」が11年8月に開催された。そこでは、10年7月に条例を制定し、10年秋のがんサミットで発表した岐阜県の県議会議員を招き、条例制定プロセスのレクチャーを受けた。そのほか、北海道では、がん条例素案を公開し、11年9月〜11月にかけて道民からの意見を募集している。また、富山県では11年9月、がん条例の議員提出を目指す「がん対策推進条例検討プロジェクトチーム」が発足している。

 がんサミットは、がん条例の制定のみならず、さまざまな好事例の情報交換の場にもなっている。「がんサミットはアイデアの宝庫です。他県の良いアイデアはすぐに実行に移しましょう」。徳島県の患者団体ガンフレンド代表の勢井啓介氏の意見だ。徳島県では、現在、他県の取り組みを積極的に取り入れて実践している。広島県の取り組みを参考にした「がん検診受診率向上プロジェクト」では、地元徳島の高校・大学生によって家族へのがん検診啓発イベントを行っている。また、島根県のがん対策募金を参考に、地元企業の協力を得て「AWA(阿波)がん対策募金」も実施している。

 このような地域発の好事例は、かたちは様々だが、多くの事例が、行政や医療提供者、地域住民などを巻き込んでいるのが特徴だ。

表2 がんサミット2011で参加者から紹介された好事例の一部

 がんサミットは、全国各地から集まったがん対策関係者が、国のがん対策に関して、情報を収集し、意見を共有する機会でもある。

 がんサミット2011では、国の次期がん対策推進基本計画の策定についてパネルディスカッションを行った。厚生労働省がん対策推進協議会の患者関係委員の眞島喜幸氏(NPO法人PanCANジャパン理事)、花井美紀氏(NPO法人ミーネット理事長)、松本陽子氏(NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長)が司会をし、事前に参加者から集めた質問に対して、会長で大阪大学副学長(当時)の門田守人氏、厚生労働省健康局がん対策推進室室長(当時)の鈴木健彦氏が答える形で議論を進行した。

 「がん検診」「がん教育」「小児がん」「がん拠点病院制度」「相談支援とピアサポート」「経済的負担と就労問題」「ドラッグ・ラグ」など、数多くのテーマに関して質問が集まり、一つひとつ門田氏、鈴木氏が答えた。例えば小児がんについて、会場から「長期的なフォローを必要とするため、小児がんを次期計画に取り入れてほしい」という要望があったが、これに対し鈴木氏は「がん対策推進協議会の小児がん専門委員会で治療の集約化やサバイバーシップについて議論されている」と答えた。また、「国民のがん教育についてどう考えるか」という質問に対して門田氏は、「がんや病気で死ぬことがあり得るということを子供のときから教育の中で知っておく必要があるのではないか」と回答した。

仲間との再会、ネットワークの構築が活動の原点
 「がんサミットで再会して元気をもらっている」「今やっていることを伝えたい」「スクラムを組んで、全国一体でモチベーションを高めたい」。がんサミット2011であがった参加者の感想だ。がんサミットに参加している患者関係者の多くは、全国各地で、同じ目的で頑張っている仲間たちの存在が、活動の原点となっている。いろいろな地域の、いろいろな立場の人が集まり、同じ目的に向かって、うまくいっているプロセスや経験を共有することで、人のネットワークが広がっている。

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