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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2011/9/21

日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿Vol.14

患者の声が医薬品開発や予算を動かす米国(後編)

患者に寄り添う医療者やボランティアたち

岩井万喜、埴岡健一=日本医療政策機構 がん政策情報センター

 ナースナビゲーターやサバイバーボランティアが一人ひとりの患者に寄り添うことで、患者は安心感を得られ、医療への信頼にもつながっている。実際、同乳がんセンターでは、約35%の患者が臨床試験に参加しているという。数値だけで単純な評価をすることは困難にしても、全米の臨床試験参加率が5%に満たない中で、驚異的な数字といっても過言ではないであろう。

 「日本では、医療者ですら、忙し過ぎて臨床試験の情報を十分に持ち合わせていない現状なのに」。「米国研修2011」参加者の北村周子氏(三重県がん相談支援センターセンター長)は、シドニー・キンメル総合がんセンターの廊下で立ち止まって、そうつぶやいた。その廊下の壁には、参加者を募集している臨床試験の一覧表が掲示してあった。

 今回訪問したNCI、FDA、ASCOいずれも、それぞれが運営するウェブサイトで患者対象の臨床試験検索ページへのガイドを作っており、患者は一覧表示された検索結果の中から、必要な情報を容易に探すことができる。また、臨床試験を実施する医師が遠隔地にいても、主治医がNCIの研究登録をしていれば、主治医の下でその試験に参加できる仕組みもある。例えばカリフォルニアに住んでいても、ニューヨークで実施されている臨床試験に参加できる可能性もあるのである。

医療者や行政からも求められている患者の参画
 以上のように、4つの場所で臨床試験への患者参画について見ていく中で気付いたのは、患者参画は、患者の意向だけではなく、医療者や行政からも「求められている」ということだ。それは、米国では「医薬品の開発の早期段階から患者が参画することが、承認までのプロセスを活性化・効率化させる」との認識が普及しているからだろう。

 日本でも、「がん対策基本法」が成立し、がん対策推進協議会への患者参画が実現した歴史がある。また最近は、各種の審議会などでも患者委員が任命されることが増えてきた。医療分野の学会でも、患者支援プログラムが広がり始めている。その背景に、多くの患者や関係者の努力があったからこそ、今日に至るのだろう。そして今後は、臨床試験の方針決定の段階からの患者参画を検討することも、必要なのではないだろうか。今後も患者アドボカシー活動支援組織に属する者として、患者さんと一緒にできることを考えていきたい。

※参考URL

・ASCO 患者向け情報提供サイト(英語)
Caner.Net (英語)
http://www.cancer.net/

※本稿における見解は、組織としてのものではなく、あくまで筆者個人の考えです。

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