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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2011/9/21

日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿Vol.14

患者の声が医薬品開発や予算を動かす米国(後編)

患者に寄り添う医療者やボランティアたち

岩井万喜、埴岡健一=日本医療政策機構 がん政策情報センター

 臨床試験への患者参画を進めるためには、患者の学びが欠かせない。米国では、専門家の集まりである学会が、患者に門戸を開き、多彩な患者支援者向けプログラムを提供している。また、医療機関においては、医療者やサバイバーが個々の患者に寄り添い、信頼関係を築いた上で、患者への情報提供を行っている。日本において今後、患者参画を推進するための参考になりそうだ。


 米国臨床腫瘍学会(American Society of Clinical Oncology:ASCO)は、世界のがん標準治療を左右するといわれる学会だ。患者にも開かれており、ASCOの年次学術総会には患者団体の関係者や患者の参加者も多く、専用のラウンジも用意されている。

 われわれは2011年6月3日〜7日にシカゴで開催された第47回年次学術総会に参加したが、注目される臨床試験の進捗状況を発表する会場には1万人を超える聴衆がおり、目覚ましい成果を挙げた発表には拍手で会場が盛り上がっていた。

研究者と患者をつなぐ多彩なプログラム
 ASCOでは、10人の職員(常勤2人、非常勤8人)を配置して、「患者アドボケートプログラム」を運営している。

 このプログラムは「患者はがん研究において欠かせない存在であり、大きな役割を担っているという観点から、医療者から患者へ教育を行うこと」をミッションとしている。ASCO年次学術総会の患者ラウンジに常駐していた、同プログラム責任者のジニー・サラモネ氏は、「がんを治療する医師と協働できる患者を1人でも多く育成することを支援したい」と語った。彼女自身も乳がんサバイバーであり、患者側の視点に立って忙しい日々を送っている。

ASCO患者アドボケートプログラム「がん臨床研究注目演題解説」の会場の様子

 ASCO年次学術総会では、表1のような多彩な患者・支援者向けプログラムがあった。そのうちの1つ、「がん臨床研究注目演題解説」セッションは、その日の注目演題の内容について、著名な医師(臨床研究者)が患者・支援者に分かりやすく説明するというものだ。参加して驚いたのは、聴衆からの質問の専門性が高いことだ。「その研究結果から、ラテン系患者にとってのメリットとデメリットは分かるのか」「血中に循環する腫瘍細胞に関して知見が得られてきているようだが、将来的には腫瘍細胞に関するデータを患者に提示するようになるのか」などだ。

ASCO2011年学術総会 患者支援者向けプログラム(抜粋)

患者アドボケート奨学金制度第47回ASCO年次総会への参加支援
患者アドボケートラウンジ患者アドボケートの交流、学習、休憩の部屋を設置
患者会展示ブース企業展示ホール内に、無償で提供される患者会ブースを設置
「がん研究におけるアドボケートの関わり」患者教育などについてNCIが発表
市民公開講座「がんを克服しよう」がんを経験した著名人によるパネルディスカッション
がん臨床研究注目演題解説医師による注目演題に関する発表の説明とQ&A
「行動するアドボケート」患者アドボケートの国際連携についてのパネルディスカッション
国際患者アドボケート集会参加者自己紹介と今後のネットワーク作り

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