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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2011/9/20

日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿 Vol.13

患者の声が医薬品開発や予算を動かす米国(前編)

臨床試験の設計から承認まで患者が関与し大きく貢献

岩井万喜、埴岡健一=日本医療政策機構 がん政策情報センター

 「患者が臨床試験に参画する」と聞くと、多くの人が試験対象者(被験者)としての参加をイメージするのではないだろうか。だが、臨床試験への患者参画が進んでいる米国では、それだけにとどまらず、臨床試験の設計の段階や、承認審査にも患者が参画し、医薬品開発の活性化と効率化、さらには研究予算の増額などに貢献してきたという。その仕組みについて、ここに紹介したい。


 がん政策情報センターが2011年6月に実施した「米国研修2011」で、研修に参加した日本の患者・支援者3人と共に、米国の臨床試験と患者参画について学ぶ機会を得た。米国国立がん研究所(NCI)、米国食品医薬品局(FDA)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、米国ジョンズ・ホプキンス大学病院(JHH)の4カ所を続けて訪問し、さまざまな学びを得た中から、日本に参考となりそうな点を報告する。

方針決定には必ず患者の声を
 米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)は、1937年に設立された政府組織で、米国のがん研究の“司令塔”ともいわれている。大学、民間研究所、また企業などが行うがん研究(臨床試験を含む)の研究計画を作る段階に関与したり、NCI内外の組織間調整を行ったり、がん研究国家予算の配分管理を行っている。年間予算51億ドル(約4000億円)の84%が外部機関への研究費配分に、16%がNCI内部の研究に充てられている。

 NCIでは8部門の話を聞くことができたが、ここでは患者参画の点で先進的であった「臨床試験コーディネートセンター(Coordinating Center for Clinical Trial)」の話を取り上げたい。

 この部門は、NCI内外で行われる第2相、第3相臨床試験における、試験計画の策定を管理している部門である。つまり試験プロトコル(手順書)を作る前の、臨床試験の目的や試験の進め方を決める重要な役割を担っている。それを決めているのは運営委員会で、表1にあるような種類があり、その下に分科会などもある。

表1 NCI臨床試験コーディネートセンターが管轄する運営委員会

 「われわれスタッフは実務の管理をする。方針や考え方の決定は運営委員会が行っている」と、同センター部長のデボラ・ジャフ氏は説明する。

 すべての運営委員会には、患者・支援者が少なくとも1人は含まれており、臨床試験の方針などを決める場に参加しているという。では、患者委員の役割は何だろうか。

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