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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2011/5/24

日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿 Vol.12

がん患者・家族の痛みを和らげる策を探る

がん患者意識調査の結果から見えてきたこと

山口綾香、埴岡健一=日本医療政策機構 がん政策情報センター

患者・家族の声から探る課題解決へのヒント
 ここまでは、「痛み」の「緩和」へのニーズを中心に結果を見てきたが、そのニーズを満たす解決策についても考えてみたい。

 がん診療においては、これまで様々な検討や取り組みが行われてきたが、今もなお課題は残る。その課題を解決するためのヒントを、患者さんやご家族の声の中から探ってみたい。

 今回のアンケートでは、がんの診断や治療において、あれば良かったと思うサポートについて質問をしている(複数回答可)。その結果、「医療従事者によるがん医療やサービスについての情報提供サポート」(63.8%)と回答した人が最も多く、「カウンセラーや精神腫瘍医など心の専門家による精神面のサポート」(39.8%)、「ピア(仲間)による医療やサービスについての情報提供サポート」(39.6%)と続いた(図4)。

図4 医療従事者や専門家、ピアによるサポートが求められている

 医療従事者による情報提供サポートや心の専門家による精神面のサポートと共に、ピア(仲間)による情報提供サポートを求める声も挙がっているわけだ。専門家やピアが効率よく協働してサポートできる体制を作ることが、解決の糸口となりそうだ。

 また、アンケートでは、経済的な負担を軽減するにはどの方法が良いか質問している(複数回答可)。その結果、最も回答が多かったのは「高額療養費制度など、一定額を超える出費を補てんする制度を充実させる」(60.2%)、次いで「医療費のうち保険でカバーされる範囲を広げる」(52.4%)であった。経済的な負担の軽減が強く望まれる中で財源の問題が障壁の1つとされるが、今回のアンケート結果から浮かび上がる患者さんやご家族の声を見ると、それを乗り越える施策の実現が期待されていると言えよう。

 がん対策基本法が施行されてから4年が経過し、様々な対策が検討され、実施されてきた。がん対策を検討する上で、がん患者さんやご家族は決して欠くことのできない参加者である。そして今、がん対策の実際の受け手であるがん患者さんやご家族の視点で問題点や課題を明らかにし、より良い対策につなげることが求められている。
 


※調査概要 
本調査は2010年11〜12月に実施。対象はがん患者・経験者とその家族・遺族等。全国のがんに関連する患者団体に協力を依頼し、承諾が得られた団体から各会員へ郵送でアンケート用紙を送付してもらった。アンケート専用ウェブサイトからの回答も受け付けた。有効回答数は1446件、回答者の属性は以下の通り。

※参考URL
・「患者が求めるがん対策vol.2〜がん患者意識調査2010年〜」報告書(PDF)(※報告書では、この記事で紹介した以外の結果についてもまとめています。ぜひご参照ください。)
http://ganseisaku.net/impact/reports/gan_ishiki_2010.html/20110509.pdf
・「患者の求めるがん対策〜1600人のがん患者意識調査〜」報告書(PDF)
http://ganseisaku.net/resources/siryou/20100405.pdf
・がん政策情報センター
http://ganseisaku.net/
・がん対策推進基本計画
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/06/dl/s0615-1a.pdf

※文中のコメントは、自由記述欄の記載からの抜粋。表記の統一など、文意の変わらない範囲で変更しています。
※本稿における見解は、組織としてのものではなく、あくまで筆者個人の考えです。

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