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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2011/2/14

《日本医療政策機構がん政策情報センター寄稿 Vol.10》

2010年のがん対策報道を振り返る

がん関連記事本数が大幅増加、社会のがんへの関心高まる

湯澤敦子グレイス、埴岡健一=日本医療政策機構 がん政策情報センター

写真1 広島市で2010年1月17日に開催されたタウンミーティング

全国で開かれたタウンミーティングが話題に
 1つ目が、1〜4月に新聞紙面を賑わした、がん対策推進協議会提案書取りまとめワーキンググループに関連した話題だ。

 全国6カ所で、患者、現場、地域の声を集めるためにタウンミーティングが開催され、各地の地元紙や全国紙の地方版に、開催告知の記事や、開催後の紹介記事が掲載された。

表2 タウンミーティング関連の主な新聞報道

1/16「患者の声をがん対策に 出雲で厚労省タウンミーティング=島根」(大阪読売新聞)
1/21「がん対策とニーズが合わず、国に注文続々 広島でタウンミーティング/広島県」(朝日新聞 広島県)
1/22「タウンミーティング:国のがん対策へ意見を−−あす、ナースプラザ福岡/福岡」(毎日新聞 福岡県)
1/27「がん対策タウンミーティング 医療費高く治療断念 患者ら見直し求め訴え」(新潟日報)
2/1「国のがん対策考える/青森でタウンミーティング/患者団体、医師ら意見交換」(東奥日報)
2/9「国のがん対策考えるタウンミーティング/長崎、負担軽減など訴え」(長崎新聞)

診療報酬改定やドラッグ・ラグ解消の背景に患者の存在
 2つ目に、がん診療に関する診療報酬改定のことを取り上げたい。10年3月、中央社会保険医療協議会(中医協)は、2年に1度の診療報酬改定の内容を取りまとめた。00年度から08年度までは実質マイナスの改定だったが、10年度は久々のプラス改定(+0.19%、約700億円増)となった。

 がん領域では、新設や加点(値上げ)など、前向きに評価された項目が多かった。がん医療に関する報酬を上げることで、質の高いがん医療の実現を目指したものだ(がん関連の診療報酬改定に詳細は、Vol.1「4月から、がん医療の“価格”が大きく変わる」Vol.2「医療の対価、患者にとっての医療費負担」を参照)。

 3つ目は、ドラッグ・ラグ(注1)。10年のがん政策を語るとき、患者アドボケート(注2)の活躍により大きな進展が見られたこのテーマは欠かせないだろう。

 2ページの図3で、「がん+適応外薬」「がん+ドラッグ・ラグ」「がん研究」「がん+未承認薬」など、ドラッグ・ラグ関係のキーワードが上位を占めた。特に、7月13日に70のがん患者団体が「適応外医薬品」について保険適用を求める要望書を厚労大臣に提出したことには、社会の注目が集まった。そして、この要望書を受けるかたちで、10月から具体的な議論が深まった。

 このほか、2月に「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」がスタートし、11月までに6回開催されている。国が、企業に開発を要請する医薬品のリストを作成する際には、患者団体の声も反映された。

 このように、一部の患者アドボケートが継続的に情報提供と問題提起を行ってきた結果、それに共感した他の患者アドボケートや患者団体も動かし、それが社会のうねりを高めていった。ドラッグ・ラグ解消の大きな進展は、患者アドボケートの思いと行動力なくしては語れない。

※注1:ドラッグ・ラグ
新たに開発された医薬品を患者に投与できるまでの時間差、あるいは海外で承認された医薬品が国内で承認され、保険適用となるまでの時間差のこと。

※注2:患者アドボケート
医療政策が決められる場面で、患者・経験者、家族、遺族、支援者などの立場から、権利を擁護し主張を推進する活動を行う人のこと。

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