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日本医療政策機構 がん政策情報センター寄稿

2010/6/23

《日本医療政策機構がん政策情報センター寄稿 Vol.6》

参院選、各党マニフェストのがん対策を見比べよう

 がん患者や家族の声を国会に届け、それが政策に反映されれば、患者の闘病環境は大いに改善するはずだ。7月の参議院選挙は、患者や家族が、がん対策を推進する政党や議員を選ぶ絶好のチャンス。続々と公表される各党の選挙マニフェストのがん対策を見比べてみた(いずれも2010年6月21日時点)。

 選挙マニュフェストに「がん対策」が明記されている政党もある一方で、がん対策に関する記述が全くない党もある。マニフェストへの記載が少ない党でも、個々の候補者が選挙戦の際にがん対策の実施を公約すれば、当選後にがん対策に力を入れる可能性もあるので、各候補者の発言にも注目したい。

 また選挙マニュフェストに明記されても実行されなければ意味がない。粘り強く政策の実現まで引き続き見届けていく必要がある。

日本医療政策機構 がん政策情報センター 杉山真理子、埴岡健一)
■民主党
民主党の政権政策Manifesto
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2010/data/manifesto2010.pdf
【年金・医療・介護・障がい者福祉】(一部)※がん関連部分のみ抜粋
○新型インフルエンザ対策としてのワクチン接種体制の強化、がんの予防・検診体制の強化、肝炎治療に対する支援などに集中的に取り組みます。
■自由民主党
自民党政策集J-ファイル2010(マニフェスト)
http://www.jimin.jp/jimin/kouyaku/22_sensan/pdf/j_file2010.pdf
【頑張る人、頑張った人が報われる社会を実現します】(一部)※がん関連部分のみ抜粋
○がん対策の充実
 がんや心疾患など、専門医療に対する国民のニーズに応えるために、地域が求める医療機能や施設・病院の整備(ブロックごとの地域がんセンター、リハビリセンターなど)を緊急かつ集中的に行います。
 「がんによる死亡者数の減少」、「すべてのがん患者及び家族の苦痛の軽減並びに療養生活の質の向上」を目指し、特に専門医等の育成、がん粒子線治療の支援を含めた放射線療法及び化学療法の推進、治療の早期段階からの緩和ケアの推進、がん登録の推進に重点を置きつつ、がんの予防及び早期発見、医療機関の整備によるがん医療の均てん化、がんに関する相談支援及び情報提供、がん研究など、患者・国民の立場に立って、がん対策を総合的かつ計画的に推進します。女性特有のがん対策として、子宮頸がんの予防ワクチンの推奨と公費負担の導入を行います。子宮頸がんと乳がんの無料検診を行います。

○ワクチン施策の推進(一部) ※がん関連部分のみ抜粋
 わが国はワクチン後進国と言われており、ワクチンの一層の活用を図るため、ワクチンで防げる病気はワクチンで積極的に対応するとの方針のもと健康安全保障の観点に立って、ワクチンの研究開発の促進と供給体制の整備の充実等を図ります。併せて、現在、任意接種となっている子宮頸がんワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、おたふくかぜワクチン、水痘ワクチンの定期接種も含め感染症予防を促進します。新たなワクチン政策の確立と推進体制を構築します。

○ヒトT細胞白血病ウイルス・難病・結核・腎疾患対策の推進(一部) ※がん関連部分のみ抜粋
 ヒトT細胞白血病ウイルスについて、全国一律の妊婦健診での抗体検査実施により母子感染を予防します。難病の診断・治療方法の研究開発を進めるための難病研究拡充等、難病対策を充実します。成人T細胞白血病、HAMの感染者・患者に対する診療体制の整備等とともに、難病の方々の医療費負担を軽減するため、助成の対象疾患を増やすよう努めます。

■公明党
manifesto2010参院選重点政策
http://www.komei.or.jp/policy/various_policies/pdf/manifesto2010.pdf
【安心の医療】(一部)※がん関連部分のみ抜粋
○がん対策
・基本計画の個別目標の実現
 がん対策推進基本計画の5年後の見直し(2012年度)を前に、放射線療法・化学療法の普及と専門医の育成、がんを担当するすべての医師への緩和ケア研修の推進、がん検診率50%以上の達成など、個別目標の実現をめざします。

・拠点病院の機能を強化
 がん診療連携拠点病院の機能強化を進め、がん治療の地域格差を是正し、全国どこでも最適ながん治療を受けられる体制を整備します。

・がん相談業務と情報発信、普及啓発を拡充
 病院選びや治療方針、がんに関する不安や悩みを抱える患者や家族を支援するため、がん相談支援センターの相談業務の拡大とともに、がん治療情報の発信を拡充します。また、がんを広く国民に知ってもらう普及啓発活動を促進します。

・がん対策予算を2倍に拡充
 がん対策推進基本計画にうたわれている個別目標を達成させるため、がん対策予算を2倍に拡充します。また、がん検診を支援するための地方交付税をさらに充実させます。

・セカンドオピニオンの体制の整備
 患者自らが適切な治療法を選択できるよう、主治医に遠慮せず、気軽にセカンドオピニオン(別の専門医の診断)を受けられる体制を整備します。

・学校におけるがん教育の見直しと教科書や副読本を充実
 小・中・高校生に対するがん教育を見直し、教科書の内容充実や副読本の配布を促進します。生活習慣との関わりなどを知ってもらい、がん予防を促進させます。

・がん検診の充実
 女性特有の子宮頸(けい)がん、乳がん検診の受診率の向上を図るため無料クーポン券、検診手帳などの事業を継続します。また乳がん検診の精度向上のため、マンモグラフィー検診に加えて超音波(エコー)検診の導入・併用を進めるとともに、読影医の養成・確保など検診体制の充実・強化を図ります。男性の発症率が高いがんの検診にもクーポン券を配布します。

・子宮頸がん予防法の制定
 若い女性に急増する子宮頸がんの征圧へ、特定の年齢への予防ワクチンの接種と、一定の年齢へのがん検診(細胞診とHPV検査)費用を全額助成することを柱とした「子宮頸がん予防法」の制定をめざします。

・がん研究・開発等の推進
 免疫療法・抗がん剤・粒子線治療など新たな治療方法・治療薬の研究・開発を推進するとともに、新たな医薬品等の承認審査の迅速化と国内での利用普及を図ります。また、禁煙対策の推進など予防対策を強力に進め、がん罹(り)患率や死亡率の低下を図ります。

○健康増進対策等(一部)※がん関連部分のみ抜粋
・女性の健康を一生涯サポート
 予防接種や治療歴、出産、健康診断の記録や、病気の予防情報などを記載した健康パスポートを発行し、女性の健康を生涯にわたってサポートする体制を構築します。また骨粗しょう症や貧血、乳がん、子宮疾患等の予防と早期発見のために、女性特有の疾病に対する健診の充実を図り、受診率を向上させます。

【安心の介護】(一部)※がん関連部分のみ抜粋
・難病やがんの要介護者等へのサービス提供体制を整備
 難病、遷延(せんえん)性意識障がいの患者やがん末期の要介護者などに対し、「短期入所療養介護」や、医療機関や訪問看護ステーション等と連携してサービスを提供する「療養通所介護」を本格的に実施する体制を整備します。

■日本共産党
日本共産党の参議院選挙政策
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2010_1/2010-6-19_sanin_seisaku_su.pdf
がんに関する記述はなし
■社民党
Manifesto2010
http://www5.sdp.or.jp/policy/policy/election/images/manifesto10_2.pdf
【社会保障】(一部)※がん関連部分のみ抜粋
○医療空白地域の拡大を止めます(一部)※がん関連部分のみ抜粋
・地域の生命と健康の砦である公的病院(国立・公立・日赤・社会保険病院・厚生年金など)の統廃合に歯止めをかけ地域の病院を守ります。がんや脳卒中の治療、救急医療・産科・小児科などを確保します。

○がん対策、肝炎対策、難病対策に取り組みます(一部)※がん関連部のみ抜粋
・がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。
・がん対策基本法にもとづいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。

○予防接種(一部)※がん関連部分のみ抜粋
・子宮頸がんワクチンの接種費用の軽減と婦人科検診の充実で、20歳代、30歳代で急増している子宮頸がんを防止します。

■国民新党
2010政策集
http://www.kokumin.or.jp/seiken-seisaku2010/images/KokuminManifest.pdf
【医療・福祉の政府保証】(一部)※がん関連部分のみ抜粋
○がん研究、感染症対策の強化を通じた医療の質の向上(一部)※がん関連部分のみ抜粋
・三人に一人以上が命を落としている現在の国民病とも言える「がん」に対する研究、治療、予防を一層強化し、治療成績や生活の質の向上を図ります。
■みんなの党
アジェンダ2010成長戦略
http://www.your-party.jp/file/agenda201006.pdf
がんに関する記述はなし
■新党改革
新党改革の約束2010
http://shintokaikaku.jp/wp-content/themes/shintokaikaku/pdf/shintokaikaku_manifest.pdf
がんに関する記述はなし
■たちあがれ日本
政策宣言2010
http://www.tachiagare.jp/pdf/newsrelease_100617_2.pdf
がんに関する記述はなし

 次回は、がん関係者が国会議員に参院選マニフェストへの提案を行ったイベントの模様を紹介する。

杉山真理子(すぎやま まりこ)
NPO法人 日本医療政策機構 市民医療協議会

医療系出版社の編集記者を経て、2009年より日本医療政策機構に参画。患者の政策提言支援を担当。
埴岡健一(はにおか けんいち)
NPO法人 日本医療政策機構 理事

日経ビジネス記者、ニューヨーク支局長、副編集長などを経て、1999年骨髄移植推進財団事務局長。08年より日本医療政策機構市民医療協議会共同議長、がん政策情報センター長。厚労省がん対策推進協議会委員ほか。

※本稿における見解は、組織としてのものではなく、あくまで筆者個人の考えです。

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