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2017/11/7

国立がん研究センター・希少がんセミナーより

個別化医療に期待のかかる原発不明がん

福島安紀=医療ライター

 原発不明がん(CUP)は、体内にがん細胞があるにもかかわらず、がんが最初に発生した臓器が不明な転移がん。CUPをテーマにした「第10回希少がんを知り学び集うセミナー・希少がんMeet the Expert:原発不明がん」が10月13日、国立がん研究センター希少がんセンターで開催された。このセミナーは、同センターと認定NPO法人キャンサーネットジャパン、がん情報サイト「オンコロ」の共催。同センター中央病院乳腺・腫瘍内科の野口瑛美氏が、原発不明がんの診断と治療法について講演した。


国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科の野口瑛美氏(写真撮影・木口マリ)

組織診断と病変の分布や全身状態によって治療法を決定
 さまざまな検査を行っても原発巣が分からない原発不明がんは、すべてのがん(固形腫瘍)の3〜5%を占める。国立がん研究センター希少がんセンターの希少がんホットラインに寄せられる相談では、3番目に多いのが原発不明がんに関するもので、原発巣が分からない患者・家族の不安は大きい。

 そもそもどうして原発巣が不明ながんがあるのか。「その理由はよく分かっていないのが現状です。原発巣が診察や画像検査で見つけにくい場所にある、あるいは、転移の数が多く原発巣が埋もれている、原発巣が診察や画像診断では見つけられないくらい小さいうちから転移を来した、原発巣が自然退縮して転移部位だけが残ったのではないかなど、さまざまな説があります」。野口氏はそう解説する。

 原発不明がんには、脳転移、肺転移、肝転移、骨転移、リンパ節転移、腹膜に広がった状態で見つかるなどさまざまなタイプがあり、誰一人として同じ状態のがんはない。しこりや痛みを感じたり、咳が止まらなかったり、腹部の腫れ、原因不明の体重減少、食欲不振などの症状から見つかる人もいれば、無症状の状態で見つかる人もいる。

 「診断のポイントは組織診断、そして、血液検査や画像診断などによって病変分布を把握すること」と野口氏は強調する。組織診断からがんを確定診断し、がんの組織型や特定の遺伝子変異や染色体異常の有無を判別する。組織診断と病変分布によって、約20%は特定の治療を有するサブグループ、約80%はそれ以外に分類される。

 なお、2007〜15年、同センター中央病院に「原発不明がん」として紹介された850人に対し、組織診断や画像検査の再検討、新たな検査などを行ったところ、50人はがんではない病気だと分かり、371人は原発巣が判明した。

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