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2015/11/17

Know(≠NO)More Cancerプロジェクト

東京医科歯科大、古本を回収して寄付をする活動をスタート

立案者の東京医科歯科大学准教授の石黒めぐみ氏らに聞く

聞き手は満武里奈=日経メディカル

――古本による寄付を3月に始めましたが、これまでの成果をお聞かせください。
石黒
 初めての回収となった3月は、この活動の周知を兼ねて、大学の講堂入口の広場で半日にわたって回収窓口を設けました。その結果、段ボール箱27個分の古本が集まりました。

 その後もコンスタントに活動を続けていて、1カ月に15〜20人、現在までにのべ146人の方が古本を寄付してくださっています。1カ月あたり1万円から2万円分の寄付額相当を回収できていて、2015年8月分までの寄付総額はおよそ17万円に達しました。年内には20万円に達するのはないのかと期待しています。

 これだけの額のお金を集めて寄付するのはなかなか難しいですけど、この方法なら、負担なく継続的に一定の成果を上げられる方法だと実感しています。


――より多くの人に参加してもらうために周知に工夫をされているのでしょうか。
石黒
 はい。まずは、学内の職員全員に届くメールを活用して、月2回ほど周知を行っています。そのうち1回は、回収の1週間前に先月分の成果の報告と、今月の回収日をアナウンスするようにしています。また、学内全部署のメールボックスに毎月初めにチラシを入れています。このような定期の広報活動は、病院の腫瘍センターの事務の人がやってくれています。

 腫瘍センターや腫瘍化学療法外科のホームページにもこの取り組みを掲載していることもあり、最近では、患者さんが古本を持ってきてくれることもありました。あとは病院に出入りしている製薬企業さんが古本を寄付してくれたりもします。同窓会誌にも記事を載せていただいたので、最近ではOBの方々からの寄付もあります。

廣瀬 実はコンスタントに1カ月あたり10人以上の人が参加しているという事実は結構すごいことです。事前にネットなどで広告を出した際、「0.2%」の効果が得られるとその広告の効果があったとみなされます。例えば、1000人にちらしを配布して2人参加してくれることが目標となります。だから、毎月10人以上が参加してくれるというのはとてもすごいことなのです。石黒先生たちが行っている、メールやちらしなどを使用した周知法が成果を上げていると言えます。東京医科歯科大学の職員は1万人もいませんよね?

石黒 そうですね。教職員でたぶん3000人くらいですから、「0.2%」以上の効果はあったことになりますね。今回の取り組みでは、昨年に開設したばかりの「がん相談支援センター」を古本回収窓口にしたことで、がん相談支援センターの存在を病院内に周知することにも成功しました。


――寄付はどのように活用されるのでしょうか。
山田
 取り組みを開始してから半年ほど経ちました。がんに関する正しい情報の発信を目的に、今後何に活用させていただくのがよいのか、しっかりと検討させていただく予定です。


――キャンサーネットジャパンの活動内容を教えてください。
山田
 患者さん向けの疾患啓発セミナーや、がんに関する正しい情報の発信を行っています。その中でも特に、治療中の患者さんに役立つような情報を発信するようにしています。私たち、キャンサーネットジャパンは「がんになっても生きがいのある社会」を活動理念に掲げています。正しい情報を知った上で治療を選択してほしいという思いから、活動を行っています。

石黒 今は情報が多すぎて、正しい情報を判断するのが難しいですからね。
 私はキャンサーネットジャパンが主催する、大腸がん疾患啓発のための市民公開講座で2011年から講演してきました。患者さんへの疾患啓発はとても重要ですが、このご時勢、スポンサーになってくれる製薬企業なども、たくさんの額を寄付することは難しいようです。我々医師は啓発活動はとても大切だと感じていても、様々な規定から直接的に疾患啓発活動にお金を寄付することは容易ではありません。

 ですから、こういったかたちで間接的に寄付をすることができるのは、啓発活動を支援したいと思う我々医療者にとって、とてもありがたい仕組みですね。将来的には、東京医科歯科大学プロジェクトで得られた寄付金で疾患啓発のためのセミナーを開催したいと思っています。

山田 そうですね。私たち、キャンサーネットジャパンの目標は自分たちの組織を大きくすることではありません。啓発活動などを通じて社会が同じ方向を向いてくれること、つまりがんの疾患啓発活動を行おうとする仲間を増やすことを目的にしています。ぜひ他の病院でもこうしたお取り組みをしていただければとてもありがたいです。

石黒 この取り組みをもっと周知して、もっとたくさんの方に参加者していただける活動にしていきたいです。さらにはこうした活動が他の病院にも広がればと思います。

【参考サイト】
東京医科歯科大学Know (≠NO) More Cancer プロジェクト 〜古本が寄付になる!〜 ホームページ

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