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レポート

2015/11/17

Know(≠NO)More Cancerプロジェクト

東京医科歯科大、古本を回収して寄付をする活動をスタート

立案者の東京医科歯科大学准教授の石黒めぐみ氏らに聞く

聞き手は満武里奈=日経メディカル

 東京医科歯科大学では今年3月、不要になった書籍を回収することで、がん疾患啓発活動を行うNPO法人への寄付とする取り組みを始めた。古本の寄付は同院の職員でなくても誰でも参加できるという。活動のきっかけや成果について、この企画の立案者である東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授のほか、寄付先のNPO法人でこの事業を担当するキャンサーネットジャパン管理・財務部門の山田幸代氏、古本を買い取る業者である株式会社バリューブックスの廣瀬聡氏に話を伺った。


――今回の取り組みを始めたきっかけは?
石黒
 昨年の3月、前教授の杉原健一先生が退官されるのを機に学内でお部屋の引っ越しをされたのですが、このとき大量の本を処分することになったのがきっかけとなりました。杉原先生は大変な読者家でいらしたので、蔵書数がとっても多かったのです。

 杉原先生と私は以前から、キャンサーネットジャパンが主催する大腸がん疾患啓発活動に携わっていましたので、そのご縁でキャンサーネットジャパンが「チャリボン」という仕組みで寄付を受け付けていることを知りました。

 「チャリボン」とは、バリューブックスさんが行っている、古本を送ると、その買い取り額がそのまま希望するNPO・NGO法人に寄付される――という仕組みです。電話で指定した日時に宅配便業者が古本を引き取りに来てくれる点がとても魅力的に感じました。自分で処分するよりむしろ楽ですからね。杉原先生の本を寄付した結果、合計でおよそ2万円をキャンサーネットジャパンに寄付することができました。

 この経験を通して、個人では数冊でも、病院・大学全体で考えたらたくさん寄付できる本があるのではないかと気付きました。ご存じのとおり我々医師は転勤族です。当院は大学病院ですので、医師や職員の入れ替わりはかなり頻繁です。異動する度に処分する本がある程度発生しますので、それを集めればたくさんの本を寄付できることになります。

 この取り組みを考えたもう1つのきっかけは、2014年8月に当院が地域がん診療連携拠点病院となったことです。がん診療連携拠点病院になったからには、がん対策に貢献する活動を行うことも大切だと考え、不要になった書籍などを回収し、「チャリボン」の仕組みを用いて、がん疾患啓発活動を行うNPO法人であるキャンサーネットジャパンに寄付することを、その活動の一環と位置付けました。

 そして、このプロジェクトは、当院の地域がん診療拠点病院としての活動の中心となる東京医科歯科大学医学部附属病院の腫瘍センター(三宅智教授)、そして私の所属する腫瘍化学療法外科、大学院応用腫瘍学講座が共催で行うことになりました。

 やるからには成果が数値で分かった方がよいだろうと思い、バリューブックスさんにお願いして、東京医科歯科大学プロジェクトで回収した本の冊数や寄付額などを、毎月集計してご報告いただくことになりました。
 
――貴院職員でなくても本を寄付できるのでしょうか。また、古本はいつ回収されているのでしょうか。
石黒
 本学職員でなくてもどなたでも参加できます。毎月1回、第4木曜日9〜16時半に東京医科大学医学部附属病院3階にあるがん相談支援センターに回収窓口を設けています。

 また、病院に持参していただかなくても、事前に買い取り業者であるバリューブックスさんに申し込めば、ご自宅や職場などに直接本を取りに来てもらうことも可能です。 
寄付できるものは医学書に限りません。医学雑誌(商業誌のみ。学会誌は対象外。)や一般の書籍のほか、市販されているCDや映画DVD、ゲームソフト、未投函の書き損じはがきなども寄付の対象になります。

 回収した本やCDなどはバリューブックスで査定され、その査定額がNPO法人キャンサーネットジャパンに寄付され、その団体の活動に役立てていただくという仕組みです。


――なるほど。バリューブックスさんが本を買い取るだけでなく、寄付まで代行してくれるということですね。
廣瀬
 そうです。私たちの会社は、みなさんがよくご存知の「ブックオフ」さんなどと同じく、本の買取業者です。2007年に設立し、2010年5月からは今回のような古本を使った寄付といった事業を本格的に開始しました。

 我々が本による寄付を仲介することで、(1)送った本の査定額を寄付者に知らせる、(2)その額を我々が団体に寄付する――という形になり、古本による寄付をスムーズに実現することができます。団体のほうも寄付はありがたいでしょうが、大量の本が届いても困るでしょうし(笑)。

 こういった取り組みは、決して業界で初めてではありませんでした。他の本の買取業者も同様のことをやっていたのです。ただし、それほど大掛かりにやっている業者はありませんでした。うちの会社はここに目を付けて、本格的に「本による寄付事業」を育て上げようという話になりました。

左から、キャンサーネットジャパン管理・財務部門担当の山田幸代氏、東京医科歯科大学大学院応用腫瘍学講座の石黒めぐみ准教授、バリューブックスでブックファンドレイザーとして働く廣瀬聡氏。

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