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2015/11/2

サロン発祥の地・島根で「がんサロン支援塾」開催

患者・家族が気持ちを分かち合うがんサロン、開設と継続の秘訣は?

あなたも一歩踏み出してみませんか?

福島安紀=医療ライター

イベント開催型、自宅でのサロン、多種多様のサロンが展開
 がんサロンの活動はさまざまで、お茶を飲みながら患者・家族が気持ちを分かち合うだけではなく、特定のがんや経管栄養などについて学ぶ勉強会を催したり、リハビリ体操やアニマルセラピーなどイベントを実施し患者同士が親しくなるきっかけを作ったりしているところもある。多くの患者にサロンの存在を知ってもらえるように、病院の待合室の近くでがんサロン主催の勉強会を開催しているケースも支援塾で紹介された。

 自分の病名を近所の人に知られたくない人もいるため、島根県出雲市のコミュニティセンターで月1回2時間開催される「伊野こみこみサロン」では、参加者をがん患者・家族に限定せず誰でも参加できるようにしている。病名を明かさない人やリウマチで闘病中の人なども参加しているそうだ。また、松江生協病院内の電話サロンは、主に電話でがん体験者と話したい人のために月2回定期的に開設されている。電話料金は病院が負担する。伊野こみこみサロンと電話サロンの代表の多久和和子氏は、「私がすい臓がんになったとき、患者同士で話しているときが一番気持ちが落ち着いた。がんサロンのように、患者・家族が集まってほっとできる地域の居場所づくりをこれからも続けていきたい」と話した。

 支援塾に参加した協和マリナホスピタル緩和ケアセンター長の藤川晃成氏は、今年5月から月1回2時間、兵庫県西宮市の自宅で、がん患者・家族、遺族が集まって話す「香枦園ほっとサロン」を開設している。参加者は平均7〜8人で、約1時間かけて遠方から通う人もいる。「初めはがん患者と遺族は別の日に集まったほうがいいのではないかと考えていた。しかし、一緒でも問題がないことが分かった。私は医師だが治療の話はせず、話したい方、聞きたい方が、悩みや不安、悲しみ、つらい気持ちを分かち合う場にしたい」と藤川氏は強調した。

マンネリ化解消には他サロンとの情報交換を
 長年サロンを続けている支援塾の参加者からは、「サロンの参加者が固定化している。新しい人に来てもらうためにはどうしたらよいのか」「医療関係者が院内がんサロンを立ち上げたが、患者さんたち中心のサロンに移行するにはどうしたらよいのか」といった悩みも聞かれた。島根県では、がんサロンを運営する世話役が定期的に集まって情報交換をし、各サロンの工夫を取り入れたり県への要望を出したりし、サロン運営の悩み解消を行う。この世話役が集まる会議に参加するための交通費は県が支給する。島根県のがん対策募金の一部から各サロンに運営費が支給されるなど、県のバックアップも受けている。支援塾では、今年9月、福井県内のがんサロンや患者会の情報交換会が開かれたことが報告された。

 支援塾では、2日目の後半、「理想のがんサロンを目指すには」をテーマに参加者を5つのグループに分けて議論が続いた。「理想のがんサロン」の新規開設に取り組んだグループからは、「院内売店の横など分かりやすい場所で、患者、家族、医療者が誰でも参加できる患者主体の常設サロン」「働く世代や子育て世代が参加できるように夜間、土曜日のサロン開設」「無記名のアンケートによるサロンの評価の実施」「高齢化など地域の問題にも取り組むサロン」「自分から話したくない人は他の患者さんの話を聞いているだけでいられるサロン作り」が提案された。一方、「活動のマンネリ化解消」をテーマに議論したグループからは、「近隣、県外のうまく行っているサロンと交流し情報を得る」「講演会やがん患者のアーティストによるコンサートを行う」「バスの便を増やし院内サロンへのアクセスをよくする」といった意見が出ていた。

 塾長の納賀氏は、「がんサロン継続には、がん患者と健常者が連携して後継者を作ることも重要。今後は、がんの患者だけではなく、いろいろな病気の人や健常者の人が悩みを共有し健康相談ができる保健室のような場にがんサロンを進化させたい。例えばコンビニの中に、保健室風のサロンがあってもいいのではないか」と提案。最後に、「患者としては、全国的に患者や健康に不安がある人が語り合えるサロンがもっと広がって欲しい」とまとめた。

がんサロン支援塾の様子。がんサロン関係者の講演を聞き、グループワークなどを通して情報交換を行った。

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