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レポート

2015/9/29

第8回市民公開講座より

腎がんと診断されたら〜よく理解し、最適な治療を選択するために〜Vol.1

●家族性あるいは遺伝性腎がん
―遺伝性の腎がんは若い年代で発生、早期発見に向け定期的に検査を―
前田佳子氏(東京女子医科大学附属青山病院泌尿器科 部長)


 腎がんは、通常は遺伝しない。しかし、一部に遺伝性の腎がんがあり、原因となる代表的な因子がフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病とバート・ホッグ・デューベ(BHD)症候群である。

 遺伝とは、生殖によって親から子へ、さまざまな特徴や性質が伝わる現象を指し、子には父親と母親から半分ずつ特徴が受け継がれる。ヒトの染色体は23対46本あり、DNAと呼ばれる鎖で構成されている。DNAには、親から子へ特徴や性格を伝える遺伝子が存在している。

 遺伝性のがんは、がんそのものが遺伝するのではなく、「がん抑制遺伝子」に生まれつき異常があることが原因となって発生する。がん抑制遺伝子は、細胞ががんになることを防ぐ役割をする遺伝子で、通常は1対の染色体の両方に存在する。そのため、喫煙などの環境的な因子により、がん抑制遺伝子の一方が傷ついて機能しなくなっても、もう一方が機能している。しかし、遺伝性の腎がんの患者では、最初から一方のがん抑制遺伝子が機能していないため、もう一方が傷ついた際にがんが発生する。したがって、遺伝性のがんの患者では、通常のがんの患者と比べて早い段階でがんが発生することになる。

 遺伝性の腎がんの原因となるVHL病とBHD症候群は、原因となる遺伝子が異なり、遺伝子が存在する位置も、VHL病では第3染色体、BHD症候群では第17染色体である。発生する腎がんは、VHL病では淡明細胞がん、BHD症候群では嫌色素性細胞がんやオンコサイトーマといった異なるタイプの腫瘍ができる。腎がんの発生は、VHL病では20-40歳、BHD症候群では40歳以降に多い。腎癌研究会の調査では、一般的な腎がんは55歳から80歳で多く発生するのに対し、VHL病では平均38歳で、15歳以上若い年代で発生していることがわかった。

 前田氏は「VHL病の血縁者では20歳前から、BHD症候群の血縁者では40歳頃から、定期的に検査を受けて、早期に発見していただきたい」と話した。

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