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レポート

2015/9/29

第8回市民公開講座より

腎がんと診断されたら〜よく理解し、最適な治療を選択するために〜Vol.1

 腎癌研究会は8月9日、「腎がんと診断されたら〜よく理解し、最適な治療を選択するために〜」をテーマとして、岡山県岡山市で第8回市民公開講座を開催した。昨年岡山市で予定されていた第7回市民公開講座は、台風の影響により中止となったため、2年ぶりの開催となる。当日の模様をリポートする。


【開会のあいさつ 大園誠一郎氏 浜松医科大学泌尿器科 教授・腎癌研究会会長】

 はじめに、腎癌研究会会長の大園誠一郎氏(浜松医科大学泌尿器科学講座教授)が開会の挨拶を行い、腎癌研究会の活動内容について紹介した。

 腎癌研究会は1991年に設立され、四半世紀に及ぶ歴史がある。現在の会員数は約600人で、全国の泌尿器科医、病理医、腫瘍内科医などが所属している。同研究会では、市民に腎がんについての理解を深めてもらうため、平成20年から市民公開講座を開催し、小冊子の作成・配布を行うとともに、さまざまな多施設共同研究を行い、海外との国際交流にも貢献している。

 最近では、腎がんが早期発見されるケースが増加している。治療は多様化しており、手術や薬物療法など、選択の幅が広がっている。大園氏は「患者さんは、治療の目的や価値について十分理解したうえで、意思決定をする立場にある。また医師は、どのような医学的介入が患者さんにとって最善かを考える、熟練した専門家であるべき」と話した。

【第1部 講演】
【総合司会:津島知靖氏 岡山医療センター 副院長、泌尿器科医長】


 第1部では、腎がんの特徴、診断、治療法について、腎がんを専門とする泌尿器科医5人がわかりやすく解説した。総合司会は、岡山医療センター副院長で泌尿器科医長の津島知靖氏が務めた。







●腎がんとはどのような病気ですか?
―患者数は増加、女性よりも男性に多い−
大西哲郎氏(国保小見川総合病院泌尿器科/スカイビル腎泌尿器科クリニック)


 腎臓は第1-2腰椎の高さで背中に近い位置に、左右一対で存在する。腎臓には高度の機能があり、血液を濾過し、体に不要な成分を尿として排泄し、電解質バランスを維持し、血圧や貧血を調節するホルモンを産生するなど、体内環境の調節を行っている。腎臓の実質で濾過されて作られた尿は、腎盂に集められ、尿管へと流れる。

 腎臓に発生する主な腫瘍には、腎臓の実質にできる腎がん(腎細胞がん)、腎盂にできる腎盂がん、良性腫瘍がある。血流が豊富な実質にできる腎がんのうち、8割を占めるのが「淡明細胞がん」と呼ばれるがんである。

 腎がんと診断される患者数は増加している。がんの発生そのものが増えていることに加え、超音波検査やCT検査などで腎がんが偶然発見される契機が増加しているためと考えられる。腎がんにかかる頻度は60、70歳台で高くなり、男性は女性の約2倍から3倍高いと言われている。

 人間の細胞には染色体が23対46本あり、このうち3番染色体の末端にある「フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)遺伝子」が作るタンパクは、腎臓の細胞ががん化することにブレーキをかける働きをしている。このVHL遺伝子が傷つくと、腎がんが発生する危険が高まる。こうしたメカニズムは淡明細胞がんで特徴的とされている。VHL遺伝子を傷つける要因には、肥満、高血圧症、乳製品の過剰摂取、肉食、喫煙などがあり、これらの要因が複合的に組み合わされることにより、VHL遺伝子が傷つくと考えられている。

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