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2015/6/30

国がんが「がん臨床試験・治験推進国際シンポジウム」開催

臨床試験の計画段階からの患者参加が世界の潮流

福島安紀=医療ライター

フランス国立がん研究所研究・イノベーション部門長のフランソワ・シゴー氏

 フランス国立がん研究所研究・イノベーション部門長のフランソワ・シゴー氏によると、フランスでも、2003年から臨床試験の全ての段階、委員会に患者・消費者が入るようになった。臨床試験に参加するがん患者は約2万5000人だが、ニコラ・サルコジ大統領は、臨床試験や先進的な治療に全患者がアクセスできることを目標に、臨床試験の参加者を倍増させる計画を打ち出しているそうだ。国際科学アドバイザリーボードも含め、ヨーロッパ諸国共同のがん研究や全ての委員会にも患者・消費者の代表を入れなければならないことになっている。


患者の参画が臨床試験への信頼感を高める
 「日本では、一部の病院や臨床試験の倫理委員会などに患者の立場の委員が参加することがやっと広がり始めた段階で、臨床試験とは何かといったことを簡単に知る機会は限られる。また、臨床試験に患者が参加したいと考えても、どういう臨床試験があってどこの医療機関で受けられるのか情報が乏しいのが実情だ」。同ミーティングに参加した一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン理事長の天野慎介氏は、患者の参画が遅れている日本の実情をそう話した。

 読売新聞東京本社編集局社会保障部次長の本田麻由美氏は、「臨床試験がきちんと進められるのか、モルモットにされるのではないかと不安や不信感を持つ患者もいる。その背景には、臨床試験の計画、評価などに患者側を代表して意見を言う立場の人が参加していないことがあるのではないか」と指摘した。

 小児脳腫瘍の会代表の馬上祐子氏は、「患者数が少なく、対象が子どもであることから小児がんは臨床試験が少ない。ぜひ、小児がんでも臨床試験を進めて欲しい」と強調。膵がんの支援団体NPO法人パンキャンジャパン理事長の眞島喜幸氏は世界、日米英のがん種別臨床試験数のデータを提示した上で、米国や英国と比較して日本では、治療選択肢の一つとして患者が参加できる臨床試験数が少ないと指摘。膵がんについては、治りにくいがんである上に、臨床試験の数も少ないことから、現状の改善を求めた。

患者アドボカシーミーティングの様子。

 今後、日本の臨床研究でも試験の計画段階からの患者代表の参加は進むのだろうか――。このミーティングに出席した日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)データセンター長で国立がん研究センター研究支援センター研究推進部長の福田治彦氏は、次のように話した。「JCOGのプロトコル(臨床試験実施計画書)審査委員会、運営委員会などにはまだ患者さんは参加していない。現在内部で議論しているところで、近い将来、一部の分野で患者参画を進める予定だ」。天野氏も指摘しているように、そういった委員会に参加する患者アドボカシーの教育を誰がどう進め、その資金をどこから捻出するかが今後の課題になりそうだ。

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