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レポート

2015/6/23

厚生労働省が「がんサミット」を初開催

政府が「がん対策加速化プラン」によるがん対策の強化を表明

福島安紀=医療ライター

トークディスカッションの様子。

 また、悪性リンパ腫の患者支援団体である一般社団法人グループネクサス理事長の天野慎介氏は、標準治療、早期からの緩和ケアのさらなる普及、希少がん、血液がん、小児がんといった患者数の少ないがんの治療薬の開発を国が後押しする必要性を訴えた。天野氏によれば、超高齢化社会の進展によって、がんと認知症を併発する人の治療をどうするかということ、「強い治療」(効果は高いが副作用も強い治療)を受けたくないと考える高齢者と治療を受けてほしいと考える家族の思い異なること――など、新たな課題も出てきているという。

 このイベントでは、佐倉アスリート倶楽部代表取締役の小出義雄氏が、教え子である女子マラソンメダリストの有森裕子氏(いきいき健康大使)に促されて禁煙をしたエピソードを披露する場面もあった。小出氏は、「2020年に東京オリンピック・パラリンピックが開かれるときには、東京を吸い殻1つないまちにして日本はすごいと言われるようになって欲しい」と話し受動喫煙の弊害を強調した。

 最後に、患者支援団体の代表ら7人が登壇。東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一氏を司会に「患者が求めるがん医療の実現に向けて」と題したトークディスカッションが行われ、がん患者の就労、緩和ケア、ドラッグラグの解消、がん教育、小児がん対策など幅広いテーマで議論が行われた。その中で、一般社団法人CSRプロジェクト代表理事の桜井なおみ氏は、5月28日に米国・シカゴで開催されたプレASCO(米国臨床腫瘍学会)の「就労と経済問題」をテーマにしたセッションの様子を紹介。「薬価、臨床試験のコストをどうやって下げるかは世界的な課題。日本でも、費用対効果の測定などが議論されており、患者としての価値、社会としての価値、医療としての価値、納税者としての価値をどう共有していくのか、これから先の医療を考えるうえで重要になる」と指摘した。

 一方、「がん教育」については、厚生労働省と文部科学省が2年後の2017度までに全国の全ての小中学校で始めることを目標にしている。いのちの教育として「がん教育」を実践しているNPO法人周南いのちを考える会代表の前川育氏は、「がん経験者による体験談と医療関係者によるがんの知識の提供と両輪で進めるのがベストではないか」と提案。NPO法人愛媛がんサポートおれんじの会理事長の松本陽子氏は、がん教育を進める際には、本人または家族ががん患者である児童・生徒への配慮が不可欠であることを強調した。中川氏は、「子どもへの教育と並行して、企業などで大人たちへもがんに対する知識を広めていく必要がある。そういった場でも、ぜひ、患者さんたちが体験談を話して欲しい。限られた医療資源をどう配分するかという問題もあり、患者さんから始まったこの動きを一般の市民にも広げて行きたい」と話し、サミットが閉会した。

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