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レポート

2015/5/25

前立腺癌骨転移患者の経験と思いをつづったミュージカル「命はいのち」

「リハビリは明るく、そうロカビリーのように」、軽妙にでも繰り返し“48時間以内の受診”の大切さを伝える

7月5日の公演に向けて練習中

聞き手=加藤勇治

 また、この頃、私が56歳男性で、これからもう歩けない、寝たきり、ということで、周りがデリケートな対応をしていることに気がつきました。後から看護師に聞いたのですが、カンファレンスで私の心のケアも必要ということで、そうした対応をして下さっていたのです。

 ただ、私は、「そんなことしてもらわなくても」と思いました。それこそ「生きてるだけでまるもうけ」です。よく「闘病生活」といいますが、私はこれからの毎日をエッセイなどにしたいと思っていましたから、この生活に名前を付けたいと思って、「遊病生活」と名付けました。がんと戦うのではなく、がんは自分の一部だから仲良くしていこうと。親や家内などもいろいろとサポートすると言ってくれましたし、寝たきりではありますが、「神様から与えられたバカンスだ」と思うようにしました。そんな状態でしたので、看護師の皆さんもよく病室に来てくれましたし、いろいろな会話を楽しく交わしました。後から調べて分かったのは、これは「ナラティブベーストメディシン」(患者の思いを傾聴し、対話を通じて患者を理解し、治療に応用していくこと)の一環でしたが。

ミュージカル練習風景。救急車で搬送されて以降、およそ2カ月間、一度も外に出ていなかったが、リハビリの一環で外に連れ出してもらった。浴びた日光の気持ちよさ、頬を撫でる風の心地よさ、病院敷地内の桜の花を見て、来月にはハナミズキの花が咲くと聞いて、初めて「生きたい」と思った

ミュージカル練習風景。リハビリで靴下の履き方やパジャマの着替え方に取り組んだ。ただ、真中氏の「歩くようになるんだ」という思いは強く、歩くためのリハビリをしたいと感じていた

 リハビリの先生も良くしてくれました。あるとき、リハビリの先生が外に連れ出してくれたのですが、よく考えれば、2月から4月のその日まで、転院で移動した以外は外に一歩も出ていないことに気がついたのです。そして、日光はなんて気持ちいいんだ、風が頬を撫でるのはなんて心地よいんだ、と感じたんです。リハビリの先生は、「あそこに桜の花が咲いてますよ」「5月にはハナミズキが咲きますよ」と教えてくれました。あぁ、6月にはアジサイ、夏にはヒマワリ、と思ったら、私はその時初めて明確に「生きたい」と思いました。来年も桜の花を見たいと思ったんです。

 その頃、理学療法士の方と作業療法士の方のリハビリを受けていました。車いすで少しずつ動くことを教えてもらいましたが、パジャマの着替え方、靴下の履き方なども教えていただいている頃でした。しかし、私は「ちょっと、これはちゃうやん」「僕は歩きたいんだ」と思ったんです。そこで動く、歩く、立つ、ということに向けてリハビリを進めるようにしてもらおうと思っていました。

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