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レポート

2015/5/25

前立腺癌骨転移患者の経験と思いをつづったミュージカル「命はいのち」

「リハビリは明るく、そうロカビリーのように」、軽妙にでも繰り返し“48時間以内の受診”の大切さを伝える

7月5日の公演に向けて練習中

聞き手=加藤勇治

 4月初に前立腺生検を行いました。そして内分泌療法が始まりましたが、同時に受診していた整形外科で「もう足は動かない」といわれたときはショックでした。ただ、一方で冷静な自分もいました。私はスポーツなど身体を動かすことも好きでしたが、このときは劇作家、演出家をすることがメインになっていましたから、「頭と口さえしっかりしているならば何とかいけるわ」と。ショックはショックでしたが、頭をがーんと殴られるようなそこまでのショックではなかったように記憶しています。家内も、生きてさえしてくれたら、と思ってくれていたようです。

 私自身は、現状肯定をし、そこから今後を考えるのではなく、最初に「こうなりたい」という目標を立てて、そこに向かっていく努力をしたい性格です。経営コンサルティングでもそう伝えてきましたし、ミュージカルでもそういう考え方を表現してきました。そこで自分がどうなりたいか、と考えたとき、「ミュージカルがしたい」「自分ですたすた歩きたい」と思ったのです。

ミュージカル練習風景。入院していた主人公のもとに友人がお見舞いにやってきた。贈ってくれたのは、はやりの「ビリギャル」。「レッテルは自分で貼る」という言葉に勇気づけられ、過去のエビデンスに基づくのではなく、自らなりたい姿をイメージした

 そんなとき重要な出会いがありました。病院に友達が見舞いに来てくれたのですが、そのとき、一冊の本をくれたのです。それが今流行っている「ビリギャル」(「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」 坪田信貴著、KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)でした。

 友人曰く、「ボスが絶対に読まないような本を持ってきました」という本でした。確かに普段は手に取らないような本でしたが、読みやすいこともあってあっという間に読みました。その本の中でとても印象的な一言があったのです。それが、「レッテルは自分で貼る」というものでした。

 医師から言われた、「あなたは48時間以上経過している」「もう足は一生動かない」というものは、過去の医学上の経験の蓄積から私の今後を予測して言ったものであり、それは「他人様から貼ってもらったレッテル」です。しかし、自分が自分のレッテルを貼ることを前提に自分で考えてみると、私は「自分ですたすた歩きたい」「ミュージカルをしたい」という希望がありました。そこでそれを自分のレッテルとして貼ったのです。しかも、過去形で、完成形で貼りました。「自分ですたすた歩きました」「ミュージカルをしました」と。その後、毎日、日記に「自由に歩きました」「病気が治りました」と書き続けてきたのです。余命が2、3年かもしれません、といわれていましたので、「85歳まで生きました」と書き続けました。今でも書き続けています。これらのきっかけがビリギャルだったんです。

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