このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

Report レポート

レポート一覧へ

新着一覧へ

レポート

2015/5/25

前立腺癌骨転移患者の経験と思いをつづったミュージカル「命はいのち」

「リハビリは明るく、そうロカビリーのように」、軽妙にでも繰り返し“48時間以内の受診”の大切さを伝える

7月5日の公演に向けて練習中

聞き手=加藤勇治

 7月5日、前立腺がん骨転移患者の経験とその間の思いをつづったミュージカル「命はいのち」が大阪市で開催される。会社員、元お笑い芸人、ボイストレーナーなど、演劇に経験の無い人たちの集まりだが、患者の思いに共感し、患者の経験を軽妙に、しかし大切なことを繰り返し歌に乗せて伝える公演だ。前立腺がん患者で、自ら劇作家、演出家を務める真中歩氏に話を聞いた。


 私は会社勤めを経験した後、経営コンサルタントを営んでいます。その傍ら、劇作家、演出家として演劇やミュージカルを手がけてきました。例えば、アウンサンスーチー氏を題材とした劇などを手がけてきたんですよ。その関係から劇団の運営に携わって欲しいと依頼され、忙しくも楽しく毎日を過ごしていました。その頃には、「ボス(boss)」と呼ばれるようになっていました。

 2014年2月15日のことです。オーディションや演出などを手掛けていた公演の本番の日、突然、立てなくなったのです。1月末頃から足の動きが鈍くなってきていましたが、56歳ですし、椎間板ヘルニアか何かか、と思っていました。公演当日は下半身がかなり動かない状態になってしまっていたのですが、自分が手がけてきた公演でしたからなんとか最後まで見届けたいと思い、当日参加しました。公演終了後、下半身が動かないので、何とか家まで送り返してもらうという状態でした。

 公演が終われば、整体の医者に診てもらおうと思っていましたので、公演後、往診してもらいましたが、「少し時間が経過したらよくなるんちゃいますか」などと話をしていました。

 しかし、3月10日、突然、39度の発熱があり、家内が驚いて救急車を呼びました。救急施設に受け入れてもらい、内科の先生でしたが、診てもらうと、膀胱に尿がたまっているので膀胱機能障害ではないか、といわれました。しかし、膀胱機能障害から来るものにしては白血球の値が低すぎるということでした。「きっと他に原因があるだろう」と。簡単に言うと、「がんの可能性がある」ということでした。先生が、徹底的に検査して絶対に原因を見つけますと言ってくれたので安心してお任せしたのを覚えています。

 そしてPET-CTの撮影の手続きをしてくれました。そこで前立腺がんで、骨転移もあると確定したのです。ただ、救急で運ばれたときに、下半身が動かないことは伝えてありましたので、まずレントゲンを撮影していましたし、骨に影が見えていました。そのため、精密検査をする前の段階で既に家内だけが呼ばれて、「正確にはまだ分からないが、おそらくがんだろう」とは伝えられていました。

 運ばれた救急病院には泌尿器科があり、前立腺がんの治療はできるのですが、整形外科の方は治療するために設備がないということで一生懸命、転院先を探して下さいました。

 転院先は自宅の近所でしたが、そこであれば前立腺がんの治療もできるし、整形で手術もできるだろうし、背中に放射線を照射する設備もあるということで紹介され、転院したのです。この間、ずっと寝たきりです。

 3月19日に転院し、詳細に診てもらいましたが、前立腺がんの治療はできるけれど、骨転移については放射線を照射することも手術することも難しいといわれました。骨転移によって痛みを覚え、麻痺が発生してから48時間以上経過すると回復が難しいといわれています。その48時間を超えていましたし、症状が出始めてから1カ月近く経過していましたので、骨転移に対する治療は難しい、できないと言われました。私は先生に「動きたい」と伝えたところ、「では、今、足を上げてみて下さい」と言われました。しかし足は全然上がりません。「足が上がらないということは歩くのは無理です」と言われました。

この記事を友達に伝える印刷用ページ