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レポート

2015/5/19

NPO法人キャンサーネットジャパンらがセミナー「もっと知ってほしい がんと在宅医療のこと」開催――Vol.2

1人暮らしでも自宅で最期まで過ごすことは可能

福島安紀=医療ライター

 NPO法人キャンサーネットジャパンと朝日新聞の医療サイト・アピタル、UDXオープンカレッジ、新産業文化創出研究は3月18日、東京・秋葉原で、アピタル夜間学校「もっと知ってほしい がんと在宅医療のこと」と題したセミナーを開催した。機能強化型在宅療養支援診療所・医療法人社団悠翔会理事長の佐々木淳氏が、がんの在宅医療と自宅での看取りについて会場やツイッターからの質問に答えた。Vol.2、3に分けて、当日のQ&Aセッションの様子を紹介する。


悠翔会理事長の佐々木淳氏

Q1: 1人暮らしで在宅医療を受けることは可能ですか。

A(佐々木) 結論からいうと、1人暮らしで在宅医療をすることはそんなに難しくありません。その方の支援の必要度にもよりますが、生活を支えるチームをしっかり作ることが前提条件になります。
 私たちが行っている訪問診療は医療面の支援が中心ですので、実際には訪問看護、生活全般の支援では介護保険を使った介護支援、具体的にはケアマネジャー(介護支援専門員)やホームヘルパーなどと連携しながらサポートします。医療と生活を支えるチームが機能すれば、在宅医療・介護が必要な状態になっても、1人暮らしでも自宅で暮らし続けられます。


Q2: 在宅医療ではどういう保険を使うのですか。

A(佐々木) 在宅で療養するためには、公的医療保険(健康保険、国民健康保険など)と介護保険の2種類の保険を使うことができます。訪問診療では、病院へ行って外来診療を受けたり入院治療を受けたりするのと同じように医療保険を使います。医療保険には、年齢と所得に応じて、一定限度額以上の医療費を使うと超過分が払い戻されたり支払わなくて済んだりする「高額療養費制度」があります。だから、医療保険に関しては、そんなに上限を気にせずに使っていただくことができます。末期がんの方については訪問診療、訪問歯科診療の他に、訪問看護にも医療保険が使えます。
 一方、介護保険は、40歳以上の人が対象で、要介護度に応じて給付の上限額が決まっています。要介護度は、要支援1から要介護5まで7段階に分けられます。例えば要介護3でしたら、月26万9310円が支給限度額で、利用者の負担は1割(今年8月から、所得によっては2割)です。その額を超えると全額自己負担になります。ですから、介護保険のサービスは上手に組み合わせて利用する必要があります。介護保険については、ケアマネジャーがどういうサービスを使うかコーディネートします。


Q3: 介護保険を使うには事前に準備が必要ですか。

A(佐々木) 初めて介護保険を使うときには、どの程度の介護が必要なのか「要介護認定」を受ける必要があります。入院中の人なら、病院にいる間に要介護認定を受けることもできますので、病院の相談室で手続きの方法を聞きましょう。自宅で生活していてこれから介護サービスが必要になりそうだというときには、自治体、あるいは地域包括支援センターで相談してみてください。すぐに介護保険のサービスを利用する必要があるときには、正式な要介護認定が出る前に、暫定的に要介護度を判定してサービスの利用を開始することもできます。
 がんの方は、終末期に向けてどんどんADL(日常生活能力)が落ち、体の状態が悪くなっていくことが多いので、元気だったときの要介護度で終末期の悪いときに対応するのは大変です。要介護度認定の見直しも組み合わせていかないといけないと思います。

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