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レポート

2015/5/12

NPO法人キャンサーネットジャパンらがセミナー「もっと知ってほしい がんと在宅医療のこと」開催――Vol.1

終末期を自宅で過ごすには早めの準備が必要

福島安紀=医療ライター

 在宅医療を受ける患者は年々増えてきている。NPO法人キャンサーネットジャパンと朝日新聞の医療サイト・アピタル、UDXオープンカレッジ、新産業文化創出研究は3月18日、東京・秋葉原で、アピタル夜間学校「もっと知ってほしい がんと在宅医療のこと」と題したセミナーを開催。機能強化型在宅療養支援診療所・医療法人社団悠翔会理事長の佐々木淳氏が、がんの在宅医療と自宅での看取りについて講演した。


がんの在宅医療でできること
 もしも病気が治る見込みがないと告げられたとしたら、残された時間をどこでどういうふうに過ごしたいと考えるだろうか――。

 「厚生労働省の『終末期医療に関する調査』(平成20年)によると、必要になれば医療機関等を利用したい人を含め、一般市民の63.3%が自宅での療養を望んでいる。ところが、「実際には、最後は病院に入院しそのまま亡くなる人が多い。がんの患者さんの在宅医療や自宅での看取りを阻む要因として、(1)病院で治療しなければならないという強迫観念、(2)在宅では、がんの痛みが緩和できないとの誤解、(3)家族の不安、介護負担と本人の遠慮、この3点が考えられる」。講演の中で、佐々木氏はそう指摘した。

 在宅医療は、通院が難しくなった患者の自宅に医師、看護師、理学療法士などが訪問して提供する医療のこと。基本的には月2回以上、佐々木氏ら在宅医が定期的にがん患者の自宅へ訪問し、計画的に健康管理と診療をする。「病院のように常に近くに看護師や医師がいるわけではないので、心細さがあるかもしれないが、多くの在宅医は、24時間365日電話がつながり、必要に応じて夜中や日曜日でも訪問診療を行っている。患者さんが住み慣れた家で安全に安心して暮らしていくために医療面でサポートするのがわれわれの仕事」と佐々木さんは説明する。

 在宅医療では、点滴、輸血、人工呼吸器、痰の吸入器などの自宅での使用も可能だ。レントゲン検査やCT検査が必要なときには病院の外来へ行き、回復が見込まれる肺炎など病院で入院治療を受け、自宅へ戻るようなケースもある。

 自宅ではがんによる痛みの緩和ケアが十分できないと思っている人もいるかもしれない。だが、佐々木氏によれば、身体的な苦痛に関しては在宅医療で緩和できない苦痛はほとんどないという。がんが治らないと告げられた患者の多くは、予期せぬ形で人生が進んでいる違和感を持ち、近い将来自分がこの世の中からいなくなるスピリチュアル(霊的)な苦痛を抱えるが、そういった苦痛にもできる限り寄り添うのが在宅医だ。患者や家族が希望すれば自宅で最期を看取ることもできるという。

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