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レポート

2015/1/20

2015年1月から一部改正

高額療養費制度のどこが変わった?〜国立がん研究センター東病院がん相談統括専門職の坂本はと恵氏に聞く

福島安紀=医療ライター

経済的に困ったら抱え込まずに相談を
 「問題は、高額療養費の自己負担限度額を超えないけれども、比較的高額な治療が続いたとき」と坂本氏は指摘する。例えば、肺がんの転移・再発治療で使われるEGFR阻害薬は3割負担の人の場合、薬剤費だけで1カ月にゲフィチニブで約5万6000円、エルロチニブで約6万1000円かかるが、再診料や検査料などを足しても、年収が約370万円以上の人では自己負担限度額を超えないことが多く自己負担が軽減されない。「そのため、薬が効いていても、経済的な面で治療を続けるかどうか迷って相談に来られる患者さんが増えている」と坂本氏は説明する。

 今回の改正によって、高額な薬物治療でもこの制度が使えないケースがさらに増加する。例えば、大腸がんの転移・再発治療を体重60キロ・体表面積1.5m2の人が1カ月にできる最大コース数を受けた場合、ベバシズマブとmFOLFOX6(5-FU、ロイコボリン、オキサリプラチン)併用療法の自己負担額は3割負担の人で月約15万1000円、セツキシマブなら月約17万7000円。腎細胞がんでソラフェニブを28日間毎日服用した場合の薬剤費は約15万7000円、スニチニブをやはり28日間使ったときは約25万1000円かかる。診察料や検査料などを加算すれば、スニチニブでは高額療養費制度の適用になる可能性が高いが、高所得者は月15万〜25万円かかったとしても高額療養費制度が利用できず、年間100万〜300万円の自己負担を強いられる人も出てきそうだ。

 働き盛りの世代のがん患者が増えており、比較的所得が高くても、子供の教育費や住宅ローンなどで経済的に余裕がなく、どうやって治療費を捻出するか悩む人は少なくない。「病状が進行や治療の副作用でこれまで通り働けないようなら障害年金が利用できないか、所定のがんと診断されたら住宅ローンを払わないで済む三大疾病特約付きの団体信用生命保険に入っていないか、子供には奨学金が利用できないかなど、家族全員で支出を減らし、収入を増やす方法を考えることが大切。経済的に困ったら一人で抱え込まず、病院の相談室やがん診療連携拠点病院の相談支援センターなどで相談してほしい」と坂本氏は話す。

 従来と同じだが、複数の医療機関での治療費や同じ公的保険に加入している家族が使った医療費の1カ月の自己負担額の合計が限度額を超えれば、高額療養費が利用でき、払い戻しが受けられる。ただし、70歳未満の人はそれぞれ2万1000円以上が条件だ。70歳以上なら金額に関係なく合算できる。また、70歳未満でも、1人の患者が同じ医療機関内で受けた治療なら、2万1000円を超えていない科があっても合算が可能。がん専門病院ではなかなか難しいが、医療費のことだけ考えれば、がん治療を受けている間は持病なども同じ病院で治療した方がいいわけだ。

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