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レポート

2015/1/20

2015年1月から一部改正

高額療養費制度のどこが変わった?〜国立がん研究センター東病院がん相談統括専門職の坂本はと恵氏に聞く

福島安紀=医療ライター

高価な分子標的薬の登場などによって、がんの治療費が高騰している。高額な治療を受けるとき助けになるのが「高額療養費制度」だが、2015年1月からこの制度が一部改正された。どう変わったのか、経済的に困ったときにどうしたらよいのか――。国立がん研究センター東病院サポーティブセンター/がん相談支援センターの坂本はと恵氏に聞いた。


国立がん研究センター東病院サポーティブセンター/がん相談支援センター・がん相談統括専門職の坂本はと恵氏

高所得者は従来と比べて負担が1.1〜1.6倍アップ
 高額療養費制度は、1カ月の医療費が一定の金額を超えて高額になった場合に、超えた額を払わないで済む、もしくは払い戻される制度。年齢や所得によって自己負担限度額が決められているが、2015年1月から変わるのは70歳未満の人の自己負担限度額だ。

 「これまで70歳未満の人は前年の所得によって、低所得者、一般所得者、上位所得者の3区分だった。これが1月からは表1のように、これまでの一般所得者と上位所得者がそれぞれ2つに分かれて5区分になった」と坂本氏は説明する。

 一般所得者のうち、年収370万(健康保険加入者は標準報酬月額26万円、国民健康保険加入者は旧ただし書き所得210万円)以下の人は、自己負担限度額が従来の約3割下がって月5万7600円になった。負担が減った人には朗報だが、上位所得者のうち、年収770万〜約1160万円の人は従来の約1.1倍、年収約1160万円以上の人は約1.6倍自己負担限度額が上がり負担が重くなっている。なお、70歳以上の人の限度額に変更はない。

表1 2015年1月からの高額療養費制度
(※表をクリックすると拡大します)

 表1では目安として夫婦と子供1人のモデル世帯で計算した場合の年収を示したが、実際の自己負担限度額は保険料算定のもとになっている金額、健保か公務員など共済組合の加入者なら標準報酬月額、国保の場合は旧ただし書き所得によって決まる。扶養家族になっている人は、公的保険の加入者本人の所得が基準となる。

 「すでにご存知の方も多いと思うが、事前に『限度額適用認定証』を医療機関に提出すれば、外来でも入院でも病院の窓口では自己負担限度額以上支払う必要がない。がんの治療には高額な費用がかかることがほとんどなので、70歳未満の人と、70歳以上で非課税世帯の人は、がんの診断を受けた時点で公的保険の窓口へ行き、限度額適用認定証をもらっておいたほうがよい」と坂本氏は解説する。なお、70歳以上で一般所得、現役並み所得の人は限度額適用認定証を提出しなくても、窓口での支払いは自己負担限度額の範囲内だ。

 高額療養費制度を利用した場合、どのくらい負担が軽減されるのだろうか。例えば、70歳未満の人が事前に認定証を提出し、がんの手術を受けて1カ月の総医療費が100万円かかったとき、窓口での自己負担額は住民税非課税世帯で3万5400円、年収約370万円以下で5万7600円。年収約370万円〜770万円なら8万7430円、年収約770万円〜約1160万円で17万1820円、約1160万円以上で25万4180円になる。3割負担なら30万円なので、4万5820〜26万4600円負担が減るわけだ。70歳未満の人、そして70歳以上で現役並み所得者の場合、1年間に高額療養費制度の利用が3カ月以上になると、4カ月目からは限度額が下がり、治療費の自己負担額が軽減される。

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