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レポート

2014/12/16

〜NPO法人キャンサーネットジャパンらがセミナー「もっと知ってほしい がんと脱毛・皮膚のこと」を開催〜

脱毛と皮膚症状をコントロールして外出しよう

福島安紀=医療ライター

スキンケアとざ瘡様皮膚炎の治療法
 山崎氏は、米国で実施されたSTEPP試験、日本で行われたJ-STEPP試験の2つの臨床試験の結果を示しつつ、皮膚障害の予防と症状軽減のためには、皮膚の清潔を保ち、こまめに保湿するというスキンケアが重要だと強調する。具体的には、石けんをよく泡立てて丁寧に皮膚の汚れを落とし、洗顔後や入浴後には保湿剤を塗ることで肌の潤いを保ち、外出時には日焼けを予防することが大切だという。

 STEPP試験とJ-STEPP試験は、パニツムマブによって出現する皮膚障害への予防療法の有用性をみるために実施された試験。STEPP試験では転移性大腸がんの患者95人を無作為に予防療法群(投与1日前から保湿剤とステロイド外用薬を顔、手、足、首、背中、胸部に塗布し外出時に日焼け止めを使用。抗菌剤のドキシサイクリンを1日2回内服)と、症状が出てから治療する対症療法群の2つのグループに分けている。投与開始から6週間のグレード2(中等度)以上の皮膚障害出現率は予防療法群で29%、対症療法群で62%。両群でがんの治療効果には差がなく、予防療法で皮膚障害の症状が予防・軽減することが実証された。

 J-STEPP試験は、白人とアフリカ系アメリカ人に有効だった皮膚障害の予防療法が日本人にも有効かを検証した臨床試験で、今年1月に米国で開催された消化器がんシンポジウムでその結果が発表されている。STEPP試験と同じように転移性大腸がんの患者95人を無作為に予防療法群と対症療法群の2つに分けて比較。パニツムマブ投与後6週間のグレード2以上の皮膚障害発現率は予防療法群が18.8%、対症療法群が50.0%だった。

 「日本人にも予防療法は有効で、皮膚障害が出たとしてもスキンケアをしっかり続けている人は症状が軽くすむことが多い。ざ瘡様皮膚炎が出た場合には、炎症を抑えるステロイド外用薬で治療する。それでも改善しないときには抗菌薬のミノマイシンを内服してもらい、それでも症状が悪くなるようであれば一定期間、ステロイドを内服する」と山崎氏は説明した。

 また、皮膚の乾燥は、保湿剤とステロイド外用薬で治療。爪囲炎も症状に応じて保湿剤、ステロイド外用薬、ミノマイシンで治療するが、爪が指の皮膚と肉に食い込まないように伸縮性のあるテープをらせん状に巻くと痛みや炎症が軽減するそうだ(図3)。患部が汚れていると、薬を塗ったりテーピングをしても炎症を抑える効果が減弱するのでよく洗うことが最も大事。痛みやかぶれでテーピングが巻けないときには液体窒素を使う特別な治療を行う場合もある」と山崎氏は解説する。

図3 爪囲炎のテーピング法(提供:山崎氏)
伸縮性のあるテープを炎症のある爪の横に貼り、爪と肉にすき間ができるようにテープを引っ張りながららせん状に巻く。テープの幅は1〜1.5センチ程度が使いやすいという。

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