このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

Report レポート

レポート一覧へ

新着一覧へ

レポート

2014/12/16

〜NPO法人キャンサーネットジャパンらがセミナー「もっと知ってほしい がんと脱毛・皮膚のこと」を開催〜

脱毛と皮膚症状をコントロールして外出しよう

福島安紀=医療ライター

皮膚障害の重症化を防ぎがん治療を長く続けるには
 セミナーでは、分子標的治療薬によって生じる副作用である皮膚障害のケアについても解説した。

 皮膚障害が出現しやすいとされる分子標的治療薬は、非小細胞肺がんの治療に使われるゲフィチニブ、エルロチニブ(すい臓がん治療にも使用)、アファチニブなどのEGFR阻害薬、大腸がんなどに使われるセツキシマブ(頭頸部がん治療にも使用)、パニツムマブといった抗EGFRモノクローナル抗体薬だ。これらの分子標的薬では、一般に、投与開始直後から「ざ瘡様皮膚炎」と呼ばれるニキビのような湿疹が顔を中心に頭皮、首、胸、背中、下腹部などに出現し、4週目弱で皮膚の乾燥、6週目辺りから爪の周りに炎症が起こる爪囲炎が見られる(図1)。ざ瘡様皮膚炎や皮膚の乾燥はかゆみや痛みを伴うことも多く、爪囲炎はしばしば痛みを伴う。皮膚の乾燥や爪囲炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返す。

図1 EGFR阻害薬と抗EGFR抗体薬を投与した際の主な皮膚障害の発現時期
(※クリックすると拡大します)

 皮膚の乾燥や爪囲炎が、薬の投与からある程度時間が経ってから出現するのは、表皮基底細胞や爪母細胞がダメージを受けてから症状として表面に出てくるまでに時間がかかるためだ。EGFR阻害薬や抗EGFR抗体薬は、EGFRをターゲットにがん細胞の増殖を抑える薬だが、同時に正常な毛穴の細胞、皮脂腺細胞、表皮基底細胞や爪母細胞も攻撃してしまうため、皮膚障害が起こるのは宿命といえる。

 「以前は、薬の投与によって蕁麻疹などの皮疹が出たら投与を止めるのが常識だった。しかし、EGFR阻害薬や抗EGFR抗体薬では、皮膚障害の副作用が強く出た人の方が治療効果は高いとの報告が複数ある(図2)。個々の患者さんの許容範囲まで皮膚障害をコントロールしつつ、できるだけ長くこれらの薬を使ったがん治療を続けることが大切だ」と山崎氏は話す。

図2 大腸がん患者に対する抗EGFR抗体薬パニツムマブ投与後の皮膚症状の強さと治療効果
(Jean Yves Douillard,et al.ASCO 2011;abstract#3510)
青=グレード2(中等度)〜4(重篤)の皮膚障害
緑=グレード0〜1(軽症)の皮膚障害

この記事を友達に伝える印刷用ページ