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2014/8/26

希少がんホットラインで患者・家族の不安を解消

国立がん研究センターが希少がんセンターを開設

福島安紀=医療ライター

今後は希少がん全国ネットワークの構築も目指す
 川井氏は、「ホットラインへの相談は想像以上に多い。希少がん患者さんの抱える不安・悩みの多さを反映しているのではないか。希少がんセンターとして窓口を一本化したことで、少なくとも何科を受診したらいいか分からないということは二度とないようにしたい」と語る。今後は、それぞれの希少がんの実情に合わせ、希少がんの治療に力を入れる病院と連携してネットワークを構築し、患者支援団体との交流も積極的に行っていきたいと強調した。

 同センターのメンバーは、まずは希少がんの患者が最適・最新の治療が受けられるように動き出している。例えば、希少がんの代表格である肉腫は体のあらゆる部分にできる。肉腫の治療にあたる国立がん研究センター中央病院骨軟部腫瘍・リハビリテーション科の中馬広一科長は、「肉腫は、決して治らない病気ではない。ただ、情報が不十分で患者さんが適切な初回治療を受けられたかどうかによって生存に差が出来てしまう。病院によっては専門の医師がいなかったり病理診断を行う病理医も肉腫をみたことがなかったりする場合がある。他の病院の診療体制もサポートし、全国レベルで治療レベルを上げていきたい」と話す。

 相談件数が多いメラノーマについて、同院皮膚腫瘍科の山崎直也科長は「メラノーマは日本では希少がんだが、欧米では患者数の多いがん。そのため、欧米では一般的な治療薬が日本では使えないドラッグ・ラグが生じている。ドラッグ・ラグ解消のために活動してきたが、今年から来年にかけてその成果が出そうなので注目してほしい」と語る。一方、メラノーマは皮膚以外に、鼻腔、食道、外陰部、肛門などの粘膜にもできることがあるが、これは非常にまれなので、どこで治療を受けたらいいか分からないということが起こっていると指摘する。「われわれは、メラノーマ科として他科と連携しながら皮膚以外の部位に発生したメラノーマも診ていることを知ってほしい」(山崎氏)。

 米国やイタリアなど諸外国では希少がんを集約化してセンター病院で治療しているが、我が国では多くの施設に分散化しており大病院でも年に数人の患者しか診察していないのが現状だ。センター長の川井氏は、ある程度集約化が必要かどうか、希少がん種別に望ましい診療体制の形を検討し、ナショナルセンターとして政策提言して実行していく役割も目指したいと話している。

 なお、遠方に住んでいるなどの理由で、国立がん研究センター中央病院か東病院以外で各希少がんの症例数が多い病院を知りたい人は、がん情報サービスサポートセンター(0570-02-3410(ナビダイヤル・通話料は有料)、平日10時〜15時)へ問い合わせを。院内がん登録のデータをもとに、各地域のがん診療連携拠点病院の中で各希少がんの症例数が多い病院を教えてくれるそうだ。

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