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レポート

2014/1/21

切らずに治す頭頸部がん

副作用に対するセルフケアで予定通りに治療を終了する確率とQOLを向上させる

満武里奈=日経メディカル

いろんな治療選択肢があることを知って欲しい

 われわれの施設では、1999年から頭頸部がんの標準治療として抗がん剤と放射線の同時併用療法を実施しています。また、1994年からは全国にさきがけて頭頸部がん治療におけるインフォームドコンセントを徹底してきました。患者さんに治療法の特徴をしっかりと説明した上で、患者さんに治療を選択してもらうことを心がけています。

 頭頸部がんでは、特に手術によってQOL(生活の質)が低下するという問題があります。私たちが最善と思った治療法が、必ずしも患者さんにとって一番良い治療法とならないことをこれまでに経験してきました。そのため、患者さんには、切らずに治せる、手術以外の選択肢もあることを知っていただいた上で、 ‘頑張れる’と思う治療法を選択していただくことが重要だと感じています。

 また、頭頸部がん患者さんに限らず、全てのがん患者さんに共通する治療の心構えになりますが、発がん因子とされる「喫煙」を止めること、「飲酒」を控えること、野菜、果物を積極的に摂取すること、規則正しいストレスの少ない生活を送りがんの発生を予防することなどが大切です(図2参照)。がんは老化現象の1つと考えられており、1つのがんを切除したとしても、からだの中にがんの予備群ともいえる細胞が無数に存在する可能性が高いためです。完全に腫瘍を切除することだけを考えるのではなく、これ以上がんを進行させないよう、がんとうまく共存するために努力できることをやっていただければと思います。

 家族や社会のサポートを借りることも、がんと上手に付き合い生きていくためにはとても大切です。病院内にある相談支援センター、在宅訪問看護、訪問医療など様々なサポートを積極的に活用するとよいでしょう。

 また、痛みなどの“つらさ”は治療に取り組む意欲を損なわせる恐れがあります。希望の光を見失うことのないよう、早期から緩和ケアの一環となる症状コントロールを行うなどして“つらさ”を和らげることが重要です。緩和ケアとは、何も終末期に行うだけのものではありません。痛いときは痛みをとる。我慢して治療を受ける必要なんてないのです。

 どんな場合でも、治療選択肢は複数あることを知ってほしいと思います。さらには様々な社会的サポートがあり、今まで通りの普通の生活を送る方法はありますので、あきらめずに悔いのない選択肢を選んでいただけることを強く願います。

図2 久保田氏の考えるがんと上手につきあうために大切なこと

【久保田氏の著書を読みたい方】
知っていると楽になる、がんとの付き合い方 ―がんで悩んでいるあなたへの処方箋 ―(かまくら春秋社)久保田彰 著

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