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レポート

2014/1/7

新ガイドラインの改訂ポイントと最新治療、パープルリボンセミナー東京2013より

最新の知見が盛り込まれた膵がん診療ガイドライン

福島安紀=医療ライター

東京医科大学病院消化器外科講師の永川裕一氏

新たな化学放射線療法の可能性

 化学療法で膵がんが小さくなれば、手術でがんを完全に取り除き、完治する可能性も高まる。「外科療法と術前・術後の化学補助療法」と題して講演した東京医科大学病院消化器外科講師の永川裕一氏は、日本において切除不能と診断された後に化学療法か放射線化学療法でがんを縮小させてから手術を行った症例の5年生存率が34%で、化学療法単独の症例の10%よりも予後が良好なことを示した。

 また、関西医科大学外科学講座准教授の里井壮平氏らが、手術前に化学療法を継続した期間を(1)6〜8カ月以内、(2)8〜12カ月以内、(3)12カ月以降の3つに分けて解析したところ、化学療法を8カ月以上継続した後に手術した人たちの方が予後は良好だったことも分かっている。「たとえ抗がん剤がよく効いても投与開始から8カ月くらいは投与を継続し、それでも効いているようであれば手術した方がいいということです。我々の病院では、他の臓器に転移はないが、主要な血管である上腸間膜動脈にがんが接しているなど切除不能局所進行膵がんに対しては、化学放射線療法を行い、がんが縮小したら積極的に手術をするようにしています」と永川氏は語る。

 化学放射線療法は、放射線と化学療法を並行して行う治療法だが、膵がんに放射線を照射した際に胃や肝臓など周囲の臓器へのダメージが大きく、十分量の抗がん剤投与ができなくなる場合がある。東京医科大学病院ではそうした課題を克服すべく、IMRT(強度変調放射線治療)とゲムシタビン、S-1を併用する化学放射線療法の有効性と安全性を検討するフェーズ2試験を実施中という。IMRTはコンピュータで綿密な治療計画によって病巣にのみ強いX線を当て、胃や肝臓など周囲の臓器には極力放射線が当たらないようにする高精度の放射線治療。「長期成績はまだ出ていませんが、IMRTを使った化学放射線療法はいまのところ非常によい結果が得られています。手術をしてもがんを取り残す危険性のあるボーダーラインの膵がんについては、いろいろな術前治療が行われていますがどういう方法がよいのかは模索段階です。FOLFIRINOX療法を行えば放射線療法を使わなくても手術可能になるかもしれませんし、手術できる方にも術前化学療法を行った方がいいかもしれないということで、さまざまな臨床試験が行われています」と永川氏は説明する。

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