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2013/6/18

外来がん薬物療法時の発熱性好中球減少症

がん薬物療法開始7〜14日くらいに1回でも発熱したら主治医に速やかに連絡を

満武里奈=日経メディカル別冊

 がん薬物療法時に注意すべき副作用の1つに発熱性好中球減少症がある。入院でがん薬物療法を実施している際には院内での速やかな対応が可能だが、近年では外来で行うレジメンが増えており、在宅時に発熱性好中球減少症が発症した場合には速やかに主治医に連絡することが必要となる。外来がん薬物療法中にどういった症状が出た場合に主治医への連絡が必要か、さらには発熱性好中球減少症を予防するためにできることについて、東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科教授の相羽惠介氏に話を伺った。


東京慈恵会医科大学腫瘍・血液内科教授の相羽惠介氏

 がん薬物療法で見られる重篤な副作用の一つに骨髄抑制がある。外からの細菌などと戦うためにある血液成分の白血球や好中球(下記*を参照)などが減少することで、身体の免疫力が低下してしまい、ときに発熱してしまう。好中球減少に伴う発熱を「発熱性好中球減少症」(FN)と呼び、強力ながん薬物療法中にしばしば見られる副作用として知られる。

 FNは、好中球数が500 /μL(/mm3)未満または1000/μL未満で、その後48時間以内に500 /μL未満に減少すると予測される状態で、かつ腋窩温が37.5度以上(口腔内体温38度以上)の発熱を生じた場合と定義されている。

 FNになると死に至ることもある。そのため、FN発症後は速やかな治療が必要だ。特に好中球数が100個/μL未満の場合は24時間以内に適切な抗菌薬療法を開始しないと死亡率が上昇することが報告されている。例えば、最も死亡率の高い感染症として緑膿菌による菌血症が知られており、適切な抗菌薬治療を24時間以内に開始した場合の死亡率は27.7%、治療が遅れた場合は43.3%だ。

 普段であれば、「ちょっと熱っぽい」「咳が出る」といったとき、「温かくして早く寝る」「市販薬を飲んで寝る」「栄養のあるものを食べて寝る」といった対処を行う人も多いだろうが、がん薬物療法中の発熱についてはとりわけ注意深く観察する必要があるのだ。

「白血球と好中球の違い」
・・・白血球は、リンパ球、顆粒球、単球の総称。外部から体内に侵入した細菌やウイルス、腫瘍細胞や役目を終えた細胞を排除する役割を持つ。好中球は、白血球の1種で、 3種ある顆粒球の1つ。白血球の中で一番多い成分で、通常、白血球の約40〜70%を占める。主に、生体内に侵入してきた細菌や真菌類を取り込み、殺菌を行うことで、感染を防ぐ役割を果たす。

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