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2013/6/4

がんと生殖機能温存 vol.2

血液がんの治療前に知っておきたい生殖機能温存法

福島安紀=医療ライター

 しかし、米国のグループによると、高齢者を対象にした研究において、患者が完全寛解している状態なら、全身放射線療法の際、照射量を2Gyに低減するミニ移植を行っても再発率に差がないとの報告がある。

 また、東京大学病院と自治医科大学付属さいたま医療センターで02年〜12年までに卵巣遮蔽を受けた16人のうち、白血病が再発した人が4人、移植の副作用で死亡した人が1人、現在まで無病生存中なのは11人。そのうち10人の卵巣機能が回復し、移植後に結婚した2人はいずれも出産を果たした(表3)。2児を出産した人もいるという。

表3 卵巣遮蔽を行った16症例(2施設合計)の転帰

 「症例数が少ないので断言はできませんが、いまのところ、卵巣を遮蔽して放射線療法を行う治療は、通常の全身放射線療法を行った場合と再発率、移植関連死亡の発生率には差がありません。約6割の人が、がんが治って卵巣機能も残っていることになります。もし移植後に子どもを産むことを希望している場合には、全身放射線療法を受ける前に卵巣遮蔽を選択できるかどうか、担当の医師に相談するとよいでしょう」と神田氏は強調する(表4)。

 血液がんと告知されただけでも気が動転しているところに、将来の家族計画のことまで考えられない人も多いだろう。しかし、後に造血幹細胞移植など不妊になるリスクが高い治療を行うことになった段階で精子や卵子の保存を希望したが、残念ながら遅かったというケースも多い。

 「繰り返しますが、子供が欲しいと考えている患者は、治療前にそのことを担当医に伝えておくことが重要です。その上で、担当医から妊孕性温存についてあまり詳しくないと言われたら、詳しい施設に紹介してもらえないか相談するとよいでしょう。また、NPO法人日本がん・生殖医療研究会のホームページでは『血液腫瘍について相談できる病院・クリニック』を公開しています。こうした情報も参考にしていただくとよいと思います」と神田氏は話している。

表4 自治医科大学附属さいたま医療センターにおける子供が欲しい血液がん患者に対する対策

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