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2013/5/21

がんと生殖機能温存 Vol.1

がんの治療医と生殖医療医がネットワークを構築 

動き出した岐阜モデル

福島安紀=医療ライター

がん治療医は生殖機能温存治療の情報提供を躊躇

岐阜大学医学部附属病院産科婦人科講師の古井辰郎氏

 「患者本人が希望された場合は支援を行い、適応がないときや説明を聞いたうえで患者本人が妊孕性温存治療を希望されない場合には、速やかに主治医の下に戻ってがん治療を開始していただいています。全国的に同じだと思いますが、がんが治った後のQOL(生活の質)改善に重点が置かれるようになる中で、多くのがん治療医が、若年がん患者の妊孕性温存の重要性を認識するようになってきています。しかし、生殖医療の技術的、倫理的な問題、社会的な背景が日々変化しているうえ、ネットワークを作る前は、どのような対策をどの施設でやっているかが分からない、治療までに十分な時間的な余裕がないなど、いろいろなジレンマがあり、がん治療と妊孕性の問題については患者本人に対して十分な情報提供ができていない面がありました」と、古井氏はGPOFsを立ち上げた背景を話す。

 ネットワーク構築にあたっては、事前に、県内でがん診療を行う35医療機関の乳腺外科、血液内科、泌尿器科、小児科、整形外科、計57科に対して調査を実施した。この調査によると、回答した29科(有効回答率50.1%)で2011年に治療を受けた40歳未満のがん患者は87人。そのうち60人は長期予後良好で、妊孕性が低下する危険性が高い治療は30例に行われたという。

 患者への情報提供については、がん治療によって「性腺機能低下」や「不妊」になる危険性が高い場合には、回答した90%の医師がそのリスクを患者に説明していた。ところが、精子や卵子の凍結保存など妊孕能温存治療という選択肢があることを伝えていたのは62.5%。「受精卵(胚)の保存」、がんの治療前に卵巣(全部もしくは一部)を手術で摘出して凍結保存する「卵巣保存」などについて具体的に説明している医師は少なかった(図2)。

図2 岐阜県内のがん治療医の患者への情報提供の現状

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