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2013/4/23

乳房再建の専門学会が誕生、インプラントの保険収載が追い風

小崎丈太郎=日経メディカルCancerReview

 乳房再建技術が進歩、温存にこだわる必要がない時代がやってきた。日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が誕生し、9月には設立記念総会を開催する。単純に乳房の形成外科の学会ができたということにとどまらず、乳がん医療の転機になる可能性がある。


福岡大学医学部整形外科学教室教授の大慈弥裕之氏

 「再発率の高さを考えて、乳房温存術の可能性を追求するのではなく、乳房再建を視野においた、乳房切除術の見直しが始まっている」。こう語るのは、福岡大学医学部整形外科学教室教授の大慈弥裕之氏だ。

 乳房再建といえば、腫瘍組織を乳腺外科医が切除した後に登場するイメージが強い。乳腺外科医が患者の命を救い、形成外科医が患者のQOLの確保に腕を振るう―。これまでこんな役割分担が定着していたが、「最近は形成外科医が、より乳がん手術の早期から関わることを要請している」と大慈弥氏は語る。これは、乳がん患者の術後の人生は長く、乳房の喪失は医療者が過去に想像してきたよりもずっと大きかったことが認識されてきたという背景もある。

 こうした患者の要請に応えるために、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会が誕生、今年9月には大慈弥氏を会長に、福岡市で第1回の総会(設立記念総会)を開催することが決まった(副会長は昭和大学医学部乳腺外科教授の中村清吾氏)。

背景に乳房再建技術の進歩

 第1回大会のテーマは「〜根治性と整容性を両立させる乳腺外科と形成外科の連携〜」。 大慈弥氏は、「形成外科医だけががんばってもだめ。患者の乳房に最初にメスを入れる乳腺外科医と形成外科医が意見交換しながら、手術の詳細を決めるような医療を実現する必要がある」と語る。

 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会のような乳房再建をメーンテーマにした学会が設立されるに至った背景にはいくつかの要因を上げることができる。

 1つは、乳がん患者の増加。日本の乳がん患者の罹患率は40歳前後にピークがあるが、欧米の罹患率は70〜80歳付近にある。いずれ日本でも高齢化しながら、患者が増加していく可能性が高い。もう1つには、乳がん患者、特に女性の乳がん患者の乳房喪失・変形の苦悩が広く深く認識されるようになったことがある。「乳房喪失、変形は生活の質のみならず、広く人生の質にも影響を及ぼすことになる」と大慈弥氏は話す。

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