このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

Report レポート

レポート一覧へ

新着一覧へ

レポート

2013/4/30

体験生かして仲間を支える・がんピアサポーター

日本対がん協会が患者代表らと研修テキスト・DVDを作成

福島安紀=医療ライター

さまざまな生き方に触れられるのは病気になったお陰

 2008年に乳がんの手術を受けた宮地愛さん(65)は、自身の経験から県の研修を1期生として受け、ピアサポーターを志した。

 「千葉に引っ越してきて転院先を探しているときにピアカウンセラーの齋藤さんと出会いました。それまで、家族にもなかなか分かってもらえなくてつらい思いをしていましたが、同じがんを体験した方に話を聞いてもらい、分かってくれる人がいると思ったら気が楽になり、前向きに闘病できるようになりました。その後、再発したときにも仲間がいるからほとんど落ち込みませんでした。私も助けていただいたので、ピアサポーターとして少しでも、今つらい気持ちでいる方たちの力になれればと思います」(宮地さん)

 宮地さんは、所属する患者会で開かれている傾聴(カウンセリングのコミュニケーションの方法)について学ぶ講座も受講。今回の「ピア・サポーターズサロンちば」とは別に同センター内で月1回開かれる患者サロンの世話役も務めている。

 「私は毎年、今年の桜が最後かもしれないと思っていますし、がんになったときには不安でいっぱいでした。でも、ピアサポーターとしていろいろな人と出会ってお話を聞いて、本当にさまざまな生き方に触れられるのは病気になったお陰です。がんの患者さんや家族の方々のお話を聞くことが、自分自身が生きる力になっています」。そう話す千葉県ピアサポーターの土田直子さん(57)は、2004年大腸がんと乳がんの手術を受けたのを機に仕事を辞め、臨床心理士の資格を取った。心配をかけたくないので、家族の前では元気な母親でいられるように心がけていたが、患者会で同じような体験をした人たちに話を聞いてもらえたことで救われたそうだ。

千葉県ピア・サポーターの土田直子さん(左)と宮地愛さん(右)

ピアサポーターになるには

 では、がんピアサポーターになるには、どうしたらよいのだろうか。厚労省の資料によると、2011年〜12年には、千葉県のほかに宮城県、秋田県、茨城県、群馬県、山梨県、岐阜県、滋賀県、奈良県、鳥取県、島根県、山口県、徳島県、愛媛県、熊本県、宮崎県、沖縄県でピアサポーターを養成する研修会が開催された。がん体験者が受けられるピアサポーター研修会がないか、都道府県のがん対策担当課に問い合わせてみるとよいだろう。

 日本対がん協会がん総合相談研修プログラム策定室事務次長の松澤智子さんは、「今後は、対がん協会のホームページに、ピアサポーターの活動をレポートしていく予定です。できたら、どこで研修が受けられるかといった情報も載せられるようにしたいですね」と話す。

 千葉県の場合、「ピア・サポーター養成講座」の受講料は無料。「ピア・サポーターズサロンちば」での活動は基本的に有償ボランティアだが、交通費込みで若干の謝礼が出る。ピアサポーターの中には、齋藤さんのように病院のスタッフの一人として活躍する人もいれば、「今、困っている患者さんたちと同じ立場で話をしたい」とボランティアとして活動する人もいる。

 ただ、ボランティアであっても、患者や家族の個人情報を知る立場になるだけに、一定の研修や訓練が必要だ。「ピアサポーターを志す人の中には、患者さんの話を聞きながら自分の体験を思い出し、かえってつらくなってしまう人もいます。自分の体験を自身の中で消化しており、ありのままに人に伝える『自己開示』ができていないとピアサポーターになるのは難しいといわれています。これからピアサポーターを志す人は、県などで行われている研修を受けると共に、まずは自分の体験を話して聞いてもらい、人の話にも耳を傾ける経験を積むことが大切なのではないでしょうか」。齋藤さんは、ピアカウンセラー、ピアサポーターとしての体験からそう話している。

この記事を友達に伝える印刷用ページ