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レポート

2013/4/30

体験生かして仲間を支える・がんピアサポーター

日本対がん協会が患者代表らと研修テキスト・DVDを作成

福島安紀=医療ライター

ピアサポーターと話をするうちに元気になる患者も

 県としていち早く、ピアサポーターの活用や育成を行ってきたのが千葉県だ。千葉県がんセンターでは、2006年から全国に先駆けて、がん体験のある相談員ピアカウンセラーを常駐させ、「ほっとステーション」という相談コーナーで患者・家族のサポートを行ってきた。

 2009年には、計5日間のがんピア・サポーター基礎研修およびスキルアップ研修により22人のがんピア・サポーター1期生を養成。県と同県地域統括相談支援センターは、ピア・サポーターの活躍の場として「ピア・サポーターズサロンちば」を同県がんセンターや亀田総合病院内で昨年2月から今年3月までに8回開催してきた。2013年2月には、新たに研修を修了したピア・サポーター2期生32人が誕生しており、徐々に活動を始めていく予定だ。

 「初めてなんですけど・・・」
 3月19日、千葉県がんセンターの会議室で開かれていた「ピア・サポーターズサロンちば」をのぞいてみると、男性の患者とその家族が遠慮がちにサロンに入ってきた。ピアサポーターが笑顔で迎えると、患者と家族がせきを切ったように、今の状況、心配なことを話し始めた。

 この日、サロンで活動したがんピアサポーターは11人。乳がん、胃がん、下咽頭がん、直腸がん、卵巣がんなどがん種はさまざまで、複数のがんにかかったサポーターもいれば、再発治療中のサポーターもいる。サロンの利用者には、入院中や他の病院で治療を受けている人、開催を心待ちにしているリピーターもおり、ピアサポーターに話を聞いてもらううちに、ほっとしたような表情を見せ笑顔になっていくのが印象的だ。張りつめていた気持ちが緩んだのか、涙を流す人もいる。

 「胃の手術をした後なかなか食べられなくて」、「抗がん剤の副作用でしびれがあるけれども、これはずっと取れないのでしょうか」、「副作用として脱毛がある抗がん剤を投与する必要があると言われましたが、髪はどのくらいで生えてくるものですか」。そういった具体的な相談には、同じような体験をしたピアサポーターが応じ、必要であれば専門家の相談へつなげる。

ピア・サポーターズサロン・ちばの様子
1対1かグループでピアサポーターが患者や家族の話を聞く

アイビー千葉代表の齋藤とし子さん

 「個人差があることを強調するようにはしていますが、同じように苦しい治療を乗り越えたピアサポーターが元気になって活動している姿を見るだけで勇気が出たとおっしゃる方もいます。とにかく不安だけど何を相談したらよいか分からないという方も少なくありませんが、私たちは同じようにがんを体験した立場として寄り添って話を聞きながら、その方がどういうことに困っているのか少しずつ引き出すように心がけています。私は長年、患者会活動をしてきましたが、患者同士が気持ちを分かち合うことは闘病の力になります。一方で、患者と同様につらい思いを抱えながら誰にもその気持ちを話せないでいる家族が話を聞いてもらえる場はなかなかありません。ピアサポーターにはそういった家族にも寄り添う役割があると思います」。同センターでピアカウンセラーとして週2回勤務し、「ピア・サポーターズサロンちば」のピアサポーターとしても活動するアイビー千葉代表の齋藤とし子さん(71)はそう話す。

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