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2013/3/19

がん体験を生かす国立がん研究センターのがん対策応援団「患者・市民パネル」

福島安紀=医療ライター

 がんの患者や家族の気持ちや体験を政策や情報発信に生かす動きが広がりつつある。国立がん研究センターがん対策情報センターでは、毎年100人の「患者・市民パネル」が、がんの患者・家族としての経験を生かして活躍している。


 国立がん研究センターがん対策情報センターでは、がんに関するさまざまな情報を書籍、小冊子、ウェブサイトを通じて発信している。その内容を患者・家族、市民の視点で、より分かりやすく、一方で情報に接する読者(=患者やその家族)が過剰な不安を抱かず、また気持ちを慮った上で情報を伝えられるように精査しているのが「患者・市民パネル」だ。

 患者・市民パネルの活動は、08年度から始まった。メンバーは公募で100人。その中で次の4点をすべて満たすことが応募条件だ。(1)がん経験者または現在・過去においてがん患者の家族、介護者、がん患者のサポートに携わったことがある、(2)がん対策情報センターの活動を理解し、医療専門家と患者・一般市民の双方の立場を踏まえた活動ができる、(3)多様な人々とうまくコミュニケーションがとれる、(4)自分か家族の支援でインターネット・パソコン・電子メールを使える――。実際には患者体験者、家族、遺族、患者支援者など立場はさまざま。任期は2年間で、最長4年間まで継続できる。

 2012年度には、同センターのウェブサイトで新たに公開する各種がん解説のページの「肺がん」、「子宮頸がん」、「上咽頭がん」などの項目について、原稿チェックや国立がん研究センターのホームページへの意見出し、緩和ケアに関するアンケート調査への協力を行った。

治療中でも体調に合わせて活動する人も

 「治療のために長年続けてきた仕事を辞めざるをえなくなり、何か打ち込めることを探していました。病院の掲示で患者・市民パネルの募集を知り、これなら治療中の自分でもできると思いました。がん対策情報センターとのやりとりはメールが中心だったので、抗がん剤治療で体調が安定しないときでも、社会の役に立てるのが嬉しかったですね」

 すい臓がんの治療を受けながら、2009年から4年間、患者・市民パネルとして活動してきた奈良県在住の野村佳子さん(52)は、応募のきっかけをこう話す。患者・市民パネルの活動はメールや掲示板を介すため、自宅でパソコンを使った作業がほとんどで、無理なときには依頼を受けなければいいので体調に合わせて続けられる。患者・市民パネルが集まるのは、年度初めの委嘱状交付式・検討会など年に1〜2回だ。

 「最初の委嘱状交付式で、すい臓がんの治療を受けてから5年以上元気に過ごされている先輩患者さんに会いました。がんを告知されて以降、予後について厳しいことばかり言われていましたし、すい臓がんを克服して元気な人に会ったのは初めてだったので本当に励まされました。がん種を問わず参加できるのも魅力ですし、ほかのパネルの方たちの意見を聞いて、同じがん患者でもいろいろな考え方があることを知り、私自身、視野が広がった気がします」と野村さんはいう。

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